整理整頓と作業効率の関係性

整理整頓を行うと
作業効率が上がるという事は、
頭では分かっていても、
整理整頓は、
いつでも出来るという意識が働いて、
整理整頓を後回しにしてしまいます。

では、後回しにしない為に
整理整頓が作業効率に及ぼす影響をお伝えします。

まず最初に整理整頓は、
入荷・格納・出荷に影響を与えます。

入荷であれば、
整理整頓がされていないと
入荷場は、格納出来ない荷物が放置され、
新しく入荷された荷物の検品作業のスペースの
確保が難しくなってしまいます。

また、
格納がされないという事は、
置き場所の登録が出来ない状態になります。

そうなると、
どうなるでしょうか?

例えば、
入荷場が荷物で溢れている事で、
検品する場所が確保できず、作業の効率が低下したり、
荷下ろしのトラック台数が増える事で、
焦ってしまい破損の見落とし、数違いと言った
単純ミスをする可能性もあります。

破損品の見落とし、
数違いは、後々、在庫数違い原因になり、
出荷の際に欠品状態となり、無駄な作業を生み出します。

また、格納されずに入荷場に放置されている
荷物に出荷指示が出た場合、置き場所不明となります。

その為、
荷物の置き場所を事務所に問い合わせをしたり、
格納担当者に聞いたり、
倉庫内を探し回ったりと無駄な時間を使ってしまいます。

そして、荷物の置き場所が不明になると、
本当なら作業者1人で済む作業に
2〜3人と関わる人数が増えてしまいます。

その為、
倉庫現場、全体の作業効率を低下させています。

また、
モノ探しは、本来、ピッキン作業者が
行う作業ではないので、
作業者に無駄な時間やストレス、プレッシャーを与え、
余分な作業をさせて負担をかけています。

そうさせない為にも、検品が終わった荷物は放置せず、
倉庫内に迅速に格納する必要があります。

そして、
迅速に倉庫内に格納する為にも
倉庫内が整理整頓されている必要があります。

倉庫内に荷物を格納する場合、
自動倉庫、パレットによる平置き、
ラックの活用などさまざまな格納方法があります。

自動倉庫を活用した場合は、
整理整頓は不要になるので、今回は除外します。

平置きやラックを活用した場合は、
倉庫内のレイアウトが
整理整頓に大きな影響を与えます。

そして、
扱う荷物の形状や在庫数を考慮に入れて、
レイアウトを考えていないと
どんなに整理整頓をしても上手く収まりません。

今回は、適切なレイアウトがされていると
仮定してお話をします。

整理整頓が出来ていないと、空いている区画が、
倉庫内の各処に点在しているという事になります。

空いている区画が、
倉庫内に点在していると言う事は、
同じ荷物を格納したくても、
1箇所にまとめて格納出来ない事を意味します。

そして、
倉庫内に荷物を点在して格納すると、
在庫管理もし辛く、先入先出しも難しくなります。

また、Aという荷物が出れば、
Bという荷物も出ると言った場合も、
整理整頓が行われていないと、
AとBの荷物を近くに格納する事が出来ません。

そうなると、ピッキン作業を行う場合、
無駄な移動が生まれ、作業効率が低下します。

そうしない為にも、
空いている区画の処理仕方です。

出荷を行えば、荷物は減っていき、
空パレットは増え、空の区画が増えていきます。

そうした空いた区画を放置しているか、
整理整頓を行い、空の区画をまとめるか。

これにより、倉庫内の状況は変わっていきます。

整理整頓を行う事で、
まとまった区画が空いているので
同じ荷物であれば、
格納作業も1箇所で済む場合も増えます。

視点を変えれば、
格納場所も1箇所なので格納指示も簡単になります。

その為、ミスや無駄が無くなり、作業効率は上がります。

ところが、ここに大きな問題があるのです。

空の区画をまとめる為には、
荷物の在庫数や状況を考慮に入れる必要があります。

単純に残っている荷物をまとめて、
空いている区画をまとめては、
入荷してきた荷物に対して、
柔軟に対応する事が出来ません。

なので、単純に空の区画をまとめるのではなく、
在庫が多い荷物をまとめる事が重要です。

在庫が多い理由としては、大きく分けて、
一括生産、一括購入の方が価格が安い、
又は、単純に出荷数が多いの2つに分類されると思います。

出荷数が多い場合は、
荷物の動きが早いので問題ありませんが、
単純に価格が安い事による一括生産・購入の場合は、
荷物が減らない、動かない事を意味します。

なので、在庫が多い荷物をまとめる場合は、
後者の荷物が減らない、動かない方を
まとめる必要があります。

なぜなら、
荷物が減らない、動かないのですから、
一度、まとめてしまえば、よほどの事がない限り、
そこには空き区画が出来ない事を意味するからです。

このように空き区画を上手くまとめ、
整理整頓を行う事で、
格納作業とピッキン作業の効率を改善する事が出来ます。

ここまで整理整頓と入荷・格納の
作業効率の関係をお伝えしてきました。

お気づきの方も多いと思いますが、
入荷・格納の随所にピッキン作業が
関わってきています。

入荷・格納は、あくまでも倉庫内に入れる作業です。

なので、
作業効率が悪くても、
残業する事でカバーをする事が出来ます。

ところが、出荷はそうはいきません。

出荷とは、
路線業者、借り切りトラックといった
社外の第3者が関わってきます。

その事で問題になっているのが、
トラックの荷待ち時間によるドライバーの
長時間労働です。

作業効率の悪さをカバーするのは、
社外のドライバーです。

その為、出荷の作業効率は、
以外に気にされない場合があります。

ところが、大手の貸し切りトラックの場合は、
到着時間が決まっているので、
自然と出発時間も決まってしまいます。

私は、デンソーの貸し切りトラックの
積み込みを行なっていた事があるのですが、
出発時間が決まっていたので、
出荷の作業効率を無視する事は出来ませんでした。

だからこそ、
出荷の作業効率を気にするのかもしれませんが、
倉庫内の整理整頓がされていないと、
出荷の作業効率も悪くなります。

入荷や格納のところでも、お話をしましたが、
出荷する荷物が見当たらない、
数が違う、場所が点在している、
これだけでも、作業導線が長くなったり、
余分な作業が増えたりして、作業効率が悪くなります。

言ってみれば、
整理整頓は、入荷・格納・出荷作業の
すべてに関わっているのです。

そして、中核を成すのが格納の整理整頓です。

例えば、
マンションなどで、屋上に給水タンクを設置して、
各部屋へ給水をしていた場合、
給水タンクが故障したりすると
各部屋へ給水が出来なくなるのと同じなのです。

格納とは、入荷と出荷の通過点であり、
格納が行き詰まれば、入荷・出荷も停滞するのです。

作業効率を上げたいのであれば、
格納の整理整頓を起点として
考える必要があります。


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