ホスピタリティ思考で物流倉庫の仕事は点でなく、線で見る

現場目線による倉庫現場の改善サポートを行います

前回は、
ホスピタリティ思考についてお伝えしました。

今回は、ホスピタリティ思考による
仕事の効率化、整理整頓、事故防止、安全対策についてお伝えします。

そこでポイントとなるのが、
仕事の各工程を点ではなく、

一つの流れの線で考えるのです。

倉庫現場で大まかに言えば、
入荷作業→格納作業→出荷作業(ピッキング作業も含む)となります。

ただ、これではあまりにも各作業の内容が分かりません。

なので、さらに詳しく明確化をします。

入荷作業
1:荷下ろしステーションへの誘導
2:荷下ろし
3:検品(数量確認、破損確認、品番・品名確認)
4:伝票処理

※現物と伝票が違った場合の対応
1:ドライバーへの確認
2:荷主への確認
3:伝票処理

格納作業
1:指定の格納場所の確認
2:格納場所へ移動
3:格納場所の確認
4:先入れ先出しの為の作業
5:格納商品の品名品番、数量、破損の確認
6:格納
7:WMSシステムを使っている場合は、格納処理

※指定の格納場所へ格納できない場合
現場責任者への連絡
新しい格納場所の設定
倉庫内の整理整頓、またはレイアウト変更

出荷作業(ピッキング作業も含む)
1:出荷伝票の確認
2:ピッキング作業
3:出荷伝票の確認
4:出荷品のロケーションの確認
5:ピッキングルートの確認
6:出荷品のロケーションへ移動
7:出荷品の品番・個数の確認
8:WMSシステムなどを使っている場合はピッキング処理
9:梱包作業
10:検品作業
11:積み込み作業

※破損、欠品、個数不足等があった場合
現場責任者への連絡
在庫数の確認
荷主へ連絡
欠品処理

このように
各作業の内容を細かく明確化することが出来ます。

ぱっと見、
それぞれの作業は独立しているようにも見えますが、
入荷から出荷作業までは、1つの流れで繋がっています。

ところが、
入荷作業から出荷作業まで一通り経験をしてないと、
なかなか一つの流れとは見えないものです。

そして、作業効率を上げるためには、
ついつい出荷作業のところに焦点を当てがちです。

なぜなら、
倉庫作業は出荷が主な作業と思われがちだからです。

その理由としては、
出荷作業は作業者も多く必要ですし、
作業時間も多いからです。

入荷作業は、
基本的に午前中に作業が集中しますが、
出荷作業は、
ほとんどの場合が午後からの作業になります。

そのため、
荷物の集荷時間に間に合わせる為に
時間に追われてしまいます。

その結果、
倉庫作業は出荷作業が主な仕事と思われてしまい、
改善対策は、出荷作業の内容が大半を占めます。

そうなると
出荷作業に限定しての改善対策を考えてしまい、
改善対策の幅が狭くなってしまいます。

出荷作業の内容に限定しての改善対策を考えた場合、
大きく分けて3つあります。

1:ピッキング・検品手順の見直し
2:梱包作業場の見直し
3:出荷場の見直し

この3つだけでは、
改善対策を考えるにも限界があります。

そこで、出荷作業を行い易くする為には、
どうすれば良いかと言う視点に立ちます。

どうすれば出荷作業が行い易くなるか?
そこで、ホスピタリティ思考が必要となります。

ピッキング作業者の
立場、目線、気持ちになってみてください。

ピッキング作業を行う為に出荷伝票を確認し、
ピッキングする商品のロケーションを確認しました。
さて、次はどうしますか?

ピッキングする商品のロケーションへ移動しますよね。

もちろん、ピッキングする商品は、
1つではありません。
その為、いろいろと倉庫内を移動します。

その時、移動する距離が長いと、どうなりますか?
また、どう感じますか?

倉庫でピッキング作業を行う多くは、
アルバイトやパートの女性や年配の人達です。

アルバイトやパートの人たちは、
台車などを使ってピッキングを行い、徒歩で倉庫内を移動します。

これは、極端な例ですが、
倉庫の端から端までが100メートルあり、
毎日、端から端までピッキングで歩いていたら、どうですか?

また、ピッキング表に載っている
ロケーション通りにピッキングを行うと、
商品の大きさや形の関係で
上手くパレットや台車に乗せる事が出来ない為に
乗せやすいようにピッキングを行った結果、
倉庫内を右に、左にと往復する場合が出てきます。

これにより、作業者の移動距離は多くなってしまいます。

では、どうすれば良いでしょうか?

これは、出荷作業に携わっている作業者では、
解決する事が出来ません。

なぜなら、
倉庫内のレイアウトやロケーションを考えているのは、
出荷作業を行なっている作業者でないからです。

もちろん、改善提案は出せますが、
実行するのは格納作業を行なっている作業者です。

その作業者が、時間が無い、忙しいと突っぱねたら。

また、時間的余裕が出来たら行うと言ったら、
永遠に変わることはありません。

なぜなら、
出荷作業を行なっていないので、
出荷作業の大変さを分かっていないので、
当事者意識が薄いか、無いのです。

本当にやる気があるなら、期限を決めて行うはずです。

試しに、いつまでに〇〇を改善してくれますかと
聞いてみるといいでしょう。

具体的には答えないか、
時間が出来たらと言って逃げるでしょう。

当事者意識が薄ければ薄いほど、
自分には関係無い、他の誰かが行うだろう、
やらなくても仕事は出来ると考え、
行動には移しません。

そうさせない為にも当事者意識を
持たせる必要があります。

ホスピタリティ思考は、
相手の立場、目線、気持ちになって、
どうすればいいかを考え、イメージするものです。

なので、
倉庫内をピッキングする為に、
右に、左にと往復している状況を
イメージしてもらいます。

そして、なぜ、改善をする必要があるかを感じてもらい、
当事者意識を高めてもらいます。

そうする事で、
自分には関係無い、他の誰かが行う、
やらなくても仕事は出来るという
固定概念から抜け出す事ができるでしょう。


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