物流現場における「やりがい」の必要性と難しさ

倉庫現場作業者リーダーを 人材から人財へ

先日のテレビ番組のガイアの夜明け11月25日放送
働き方改革 その先へ!~“働きがい”がニッポンを変える~」を見て。

まず、働きがいとは、
働きやすさとやりがいを合わせた言葉と言う事。

そして、番組内では、
働きやすさとやりがいの関係は下記の図のように説明されていました。

今現在、物流業界において、
トラックドライバー不足の為に様々な対策が行われています。

ただし、その多くは、働きやすさに対する対策出あって、
今現在、働いているドライバーの方々を繋ぎ止め、
続けてもらうかに特化した対策に思えます。

新しくドライバーになる人にとっては、
働きやすい環境はもちろんの事、やりがいも重要なポイント。

とくに若い人にとっては、
働きやすい環境は、当然と考えている場合が多々あります。

トラックドライバーに限って言えば、
給料の額は、やりがいに直結します。

昔であれば、ただ単に運転が好きだから
トラックドライバーを選択する人も多かったです。

とは言え、当時は走れば、走っただけ給料に反映されるので、
好きな運転が出来て、高額な給料が貰えるのですから、
ドライバーになる人も多くいました。

ところが、時代が変わり、
運送会社の規制緩和が行われた事により、
運送会社が飽和状態になりました。

その結果、会社に所属するドライバーが分散し、
各社ドライバー不足に悩み、時間に追われ、
帰りの荷が決まるまで、
家には帰れない長距離ドライバーも多くなりました。

また、運送会社が増えた事により、
荷主にとっては、選択肢が増えました。

その為、少しでも運賃が安いところを選ぶようになり、
運送会社も、それに合わせて、
運賃を下げていく価格競争と言う負のスパイラルに入っていきました。

正直、運送会社の差別化は難しく、
価格でしか勝負が出来ないのが現状とも言え、
ここは難しい問題でもあります。

とは言え、価格を下げたからと言って、
トラックの整備費などの維持費が安くなりません。

その結果、利益を出す為には、人件費を下げるしかありません。

そんな現状において、働き方改革により、
ドライバーの労働時間規制が2024年に本格導入をされます。

その結果、どうなるか?

荷物を運ぶ距離が限られるだけでなく、
残業時間が減る事により、給料が目に見えて分かります。

これだけでも、
モチベーションが下がり、やりがいが減っていきます。

そんな状況において、
働きやすい環境を作ってもらっても意味がなく、
ドライバー側からしたら基本給を上げてもらいたいのが本音。

一番、問題になってくるのが、
「働きやすい」とは、どんな状況を示すのでしょうか?

働きやすさに関しいて、
国土交通省が自動車運送事業者を対象に制定した
働きやすい職場認証制度」と言うものがあるそうです。

認証の審査要件は、
「法令順守等」「労働時間・休日」「心身の健康」
「安心・安定」「多様な人材の確保・育成」
の5分野・25項目との事。

この5分野の内、
「法令順守等」「労働時間・休日」は守って当たり前で省きますが、
「心身の健康」は事故に直結するので、
多くの企業は気を付けているでしょうが、
「安心・安定」・「多様な人材の確保・育成」は、どうでしょうか?

人手不足の運送会社にとっては、
両方とも守りたくても守れない、
経営上の都合があるのではないでしょうか?

とくに「多様な人材の確保・育成」に関しては、
大手の運送会社・物流会社であれば可能でしょうが、
中小・零細の運送会社や物流会社は、かなり厳しいものがあるはずです。

こういった認定制度を作る事は、もちろん大事です。

ですが、仕事とは生活費を稼ぐ為の手段なのです。

マズローの欲求5段階説である
「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」
「承認欲求」「自己実現の欲求」の内、
「生理的欲求」と「安全の欲求」が満たされてこそ、
初めて他の欲求に目を向けることが出来ます。

なので、
どんなに働きやすい環境を提供されていたとしても、
生活が成り立たなくては意味がありません。

働き方改革の根本には、
平均的な給料や生活水準を手にしている人が
対処になっているのではないかと思います。

そう考えた場合、
運送・物流の現場で働く人には、合わない部分が出てきます。

とくに給料面で言えば、他業種より低くなっています。

また、非正規で働いている人にとっても、
働きやすさも大事だけど、多少、働きずらくても
給料を上げてもらった方が嬉しいという人も多いはず。

人は、よほど劣悪な環境でない限りは、順応性が高いので慣れていきます。

我慢できないレベルに達した時は、転職をすればいいだけの事です。

もちろん、色々な家庭の事情、懐の事情もあって、
難しいという方も多いと思いますが、
自分の心と体の健康以上に大切にするものはないはずです。

どんなに頑張って会社に貢献しようとも、
会社はあなたの人生・生活を最後までサポートはしてくれないのです。

話を少し戻しまして、「やりがい」に関して言えば、
仕事の何にやりがいを感じるかは、人それぞれです。

これは、当然です。

一人ひとり、それまで歩んできた人生や経験が違うので価値観が違います。

なので、「やりがい」も一人ひとり違います。

それを一つの型にはめてしまうのは、
反発を招いたり、違和感を与えてしまいます。

これは、時代の流れであり、
個の時代であれば当然ではないかと思います。

番組内でも、
一人ひとりに合わせた「やりがい」の抽出が課題とも言っていました。

「やりがい」は、
誰かに与えられるものではなく、自分で気づき、見つけるものです。

これは、カウンセリングと言うよりもコーチングの分野にあたります。

私の学んだコーチングでは、
自分の大切なものに気づくセッションがありました。

そこで、私は、
仕事における自分だけの「やりがい」に気づく事が出来ました。

私の場合は、一緒に働く仲間が仕事をしやすい
環境を作る事にやりがいを感じました。

これは、どういう事かと簡単に言いますと、
無理なく、仕事を楽に行えるように段取りを行ったり、
倉庫内のレイアウトを考えたり、
安全性を考える事に関してやりがいを感じたと言う事になります。

これらを行う為には、
淡々と毎日の仕事を行っていては、行う事が出来ません。

その結果、自腹で外部のセミナーなどに参加をしたり、
色々な本を読んで、知識をインプットしました。

仕事の中に自分だけの「やりがい」に気づくと言う事は、
それだけで、目的意識が生まれます。

それにより、積極性が増し、自立心が芽生えます。

現場の一人ひとりが、
仕事の中に自分だけの「やりがい」に気づく事が出来れば、
自然と自走する組織が出来てきます。

もちろん、各自が勝手に行動しては、
統制が取れませんので、全体をまとめるリーダーは必要ですが。

物流現場は、毎日、同じ作業の繰り返しなので、
「やりがい」と言うもを見つけづらくはあります。

なので、
仕事に「やりがい」を求める若い人たちにとっては、
敬遠されがちとも言えます。

「石の上にも三年」と言うように、どんな仕事であれ、
ある程度、経験と実績が出来れば、
何かしらの「やりがい」と言うものが存在をしています。

問題は、「やりがい」に気づけるかどうかなのです。

「やりがい」に気づくのは、
本人次第と言う部分もありますが、
第三者がある程度の協力は出来ます。

「働きやすさ」と「やりがい」のバランスが
上手く取れてこそ、初めて「働きがい」に繋がるともうのです。

言い換えれば、「働きやすさ」と「やりがい」は、車の両輪なのです。

片方のタイヤが古くすり減ってしまっているのに、
もう片方のタイヤが新品のタイヤでは、
グリップ力の違いで、車の性能が出せません。

もう少し違った言い方をすれば、
雪道を走るのに片方のタイヤがスタットレスタイヤで
もう片方のタイヤがノーマルタイヤでは危なくて運転が出来ません。

今の物流業界は、まさにバランスの悪い改革を行っている気がします。

とくにトラックドライバー不足対策として、
「働きやすさ」ばかりに注目して、
「やりがい」の部分をほったらかしのような気がします。

なぜ、そのような状況になっているかと言えば、
仕事の中に対しての「やりがい」は目に見えず、
一人ひとり違うので個別対応が求められます。

そうなると、ある程度は、会社に依存する事となり、
会社自体も、何をどのように行えばよいか、
具体的な指示も出来ず、困り果ててしまうのです。

対して、「働きやすさ」は、従業員全員に対して、
共通な対策を行えるのと環境の整備や福利厚生の
充実と言った目に見えて、具体的な指示も出せるので、
会社側も対応しやすいという側面があります。

昔のトラックドライバーは、
トラックを運転する事に「やりがい」を感じていました。

今では、そういう人は少数派になっています。

その結果、ドライバー不足を招いているとも言えます。

しかも、物流は、ソーシャルワーカーと言われながらも、
注目をされるのは、災害が起き、物資が滞った時だけ。

あとは、荷物が遅い、対応が悪いなどと言う
クレームが注目を浴び、報道されるだけ。

物流現場の基本は、
朝も早く、夜も遅く、雪が降ろうが、
台風が来て雨風が強かろうが、働くのが普通。

それでも、社会からは、注目も浴びず、給料は、他業界より低水準。

そんな業界、誰が働きたいでしょうか?

物流現場における「働きやすさ」を高めるのはもちろんの事、
若くて優秀な人に対しては、仕事に対する「やりがい」を高め、
PRをする必要があります。

そうでなくては、働き方が多様化している今の時代、
物流現場で働くのは、パートさんやアルバイトさんと
言った方々で占められ、現場の作業効率アップの為の
改善対策や会社の利益に影響する提案
と言ったものなされなくなる可能性が高まります。

物流現場の改善対策を考え、指示・実行する為に率先して動くのは正社員。

その正社員を増やさない限り、物流現場は何も変わらないのです。

ただし、向上心があり、学習意欲がある若い正社員。

経験者も必要ですが、
次世代と会社の将来を考えた場合、若い人を獲得しなくては、会社の将来がない。

現状は、経験者の取り合いだったり、
若い人の年齢だけで採用する傾向があるので、
中小・零細の物流企業の多くの人の採用に関しては
戦略的に行わられていないのです。

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