一人ひとりの作業時間の差異の原因を考える

作業の段取りや流れを考える際、
多くの場合、平均的な作業時間を基にして
作業の流れを考えていきます。

もちろん、
それは正解でもあり、間違いでもあると私は考えます。

なぜなら、
作業の所要時間は、一人ひとり違うからです。

そんな事は、分かっている、
考慮に入れていると言うかもしれません。

本当に、それは合っていますか?
と問いたいのです。

倉庫内が整理整頓をされていないと、
余分な作業時間が必要になってきます。

また、
仕事を行う際に何を重要視するかによっても
作業時間が変わってきます。

重要視するのは、
安全性?
正確性?
効率?

どれも大切な事であり、
優先順は付けにくいものです。

例えば、
安全性を重要視した作業者の場合、
整理整頓されていない倉庫では、
極端に作業スピードは低下します。

なぜなら、
整理整頓がされていないと言うことは、
いろいろな場所に商品が
点在していると言う事が考えられます。

そして、
商品が点在していると言うことは、
移動距離が伸びます。

移動距離が伸びると言うことは、
安全確認をしながら、移動する事になります。

また、商品が高い場所にあった場合は、
脚立を持ってきて取る必要もでてきます。

そんな状況で、作業スピードが上がるでしょうか?

そして、正確性を重視した場合は、
入念に商品であっているか確認したりして
時間を余分に取ったりします。

また、
3個セットや左右セットと言ったセット商品の場合は、
さらに余分な時間を使ったりします。

最後に効率ですが、これが1番問題です。

何故なら、効率を重要視するあまり、
作業手順を簡略化して、
ちょっとしたミスを起こします。

ただ、効率を重要視する事により、
作業スピードは上がります。

なので、
一時的には作業効率が上がったような錯覚を持ちます。

このように作業時間を考える場合、
いろいろな要素を考える必要があります。

そういった要素を考え、
検討しながら段取りなどを
考えていると作業が一向に進みません。

なので、
平均的な所要時間をもとに作業指示を考えていきます。

その結果、
Aさんは作業が終わっても、
Bさんは作業が終わらないと言う
アンバランスが生まれてきます。

そういった場合、
教育・指導を行いながら作業時間の平均化を行いますが、
残念ながら、倉庫作業の現場では、
そういった教育スキルを持っている人材や教材は皆無です。

なので、いつまでたっても作業時間の均等化ができないのです。

その結果、仕事が早く終わる人は仕事が増えていきます。

そうなると、どうなるでしょうか?

仕事が
好きで好きでたまらないと言う稀な人にとっては、
問題ないでしょうけども、普通の人であれば、
少なからず不満が出てきます。

そうすると不満が溜まり続けて、
ある一線を越えた時にその人は辞めていきます。

また、多くの仕事を抱えている人が、
何らかの理由で長期の休みを取ったり、
辞めていってしまった場合、
一気に仕事が滞り、回らなくなってしまいます。

そうしないためにも、
1人の作業者に仕事を集中させない為にも、
作業者一人ひとりの仕事量やスキルレベルを
均等化する必要があります。

その1つの目安になるのが、
一人ひとりの作業の所要時間の把握なのです。

例えば、同じ作業であっても、
Aさんは、作業時間が10分に対して、
Bさんは15分だとします。

この5分の差は何かをイメージするのです。

単純に状況によって出た差なのか?
また、手順によって出た差なのか?
それとも、他に理由があるのか?

2番目と3番目の場合、
いろいろとイメージする必要があります。

Aさんは、正規の手順通りに行っているのか、
手順を省く事で作業が早くなっていないか、
それ以外にも、早く終わらせるコツがあるのか。

Bさんは、余分な作業を行なっていないか、
お喋りをしながら作業していないか、
性格の問題なのか。

など、作業時間の差異がなぜ起こるのか、
その原因を突き止める必要があります。

原因を突き止める際、
1番良いのが本人に直接聞くことです。

ただし、本人に聞いてもわからない場合が多いです。

なぜなら、無意識に行っているか、
本人としては、当たり前の行動である場合が多々あるからです。

本人が、当たり前と思っている行動は、
他の人にとっては、当たり前ではない場合があります。

それが、作業の早さにも影響する時もあるからです。

ただ、作業が遅い人の原因は、なかなか分からないものです。

何故かと言えば、遅い原因の多くは、
他の作業者と喋っている場合が多いからです。

その為、
他の人と世間話をしてるから遅くなっているとは、
口が裂けても言えるわけがありません。

その結果、遅い原因は分からずじまいなのです。

では、どうすればいいか?

作業が遅い人を期限を決めて、
しっかりと観察をするのです。

もちろん、自分の仕事をしながらなのが、
完璧とはいかないまでも、
多少は遅い原因が分かってくるはずです。

そして、お喋りが出来ない環境を作るのです。

例えば、
梱包場などは、比較的、人が集まりやすいので、
レイアウト変更などをして、
一箇所に人が集まらないようにするのです。

そうする事で、お喋りをする状況を減らす事が出来ます。

このように作業が遅くなる原因を
一つひとつ無くしていくのと同時に、
作業手順をしっかりと守る指導を行なっていくのです。

そうする事で一人ひとりの作業の所要時間を
平均化に近づけることが出来るのです。


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