物流現場の自動化に思うこと

会社の成長戦略に人材・人財育成は 入っていますか?

物流の現場作業者の多くは、
物流現場作業の完全な自動化が出来るなど考えていないと思うのです。

その理由は、倉庫が古く、最新の設備を導入出来ない、
導入する予算が無い、荷主の我儘が多すぎる、
状況に応じて優先順位の変更が必要、業務プロセスが標準化されていない、
導入する為の知識がないなど、数え上げたらきりがないからです。

それでも、大手の新規の倉庫では自動化が進んでいます。

自動化を進める最大の理由は、
人手不足対策であり、従業員の負担を減らし、
離職率を上げる為だと思うのです。

もちろん、作業効率アップや誤出荷、ミス防止と言う理由もります。

ただ、一つ言える事は、
その様な大手の倉庫は、多かれ少なかれ大型倉庫がほとんど。
逆を言えば、大型倉庫でなければ採算が取れないとも言えます。

中堅以下の倉庫の場合、自動化よりも収容率を高めるかを重要視します。

そう考えた場合、AGVなどが通る通路幅を確保するのではなく、
作業者やフォークリフトが通れる通路幅を確保して、
格納スペースの確保の為のスペースを確保したいと思うのが普通。

何より、繁忙期などで荷量が増加した場合、
通路にも荷物を置く事がよくあるので、
AGV自体が邪魔になる可能性すらある。

AGVに関して言えば、
古い倉庫は、路面が平らになっていない、
または、傷んでいる、AGVが通れる通路幅が無いなど
導入の障害になる場合も考えられる。

そして、最大の課題・問題となるのが、
荷主であり、お客様の様々な我儘なのです。

物流現場では、指示書通りにピッキングして、
積み込み・出荷するだけで終わりません。

毎日の作業の中では、荷主であるお客様から、
様々なお願いや指示が飛んできます。

例えば、
検品をしたいから、指定の製造日の商品を用意してほしい。
商品を取りに行くので、準備をしてほしい。
至急、在庫数を調べて、連絡をしてほしい。
などなど、
その他にも、予定外の事は日々起こっています。

そのような我儘を受け入れるには、
自動化という決まり切った枠に収める事は無理があるのです。

もちろん、AIが進歩しいき、
経験と情報を蓄積していけば、
一つの業務においては、
3年後、5年後には柔軟な対応も出来る事でしょう。

ただ、状況は常に変化しているので、
絶対的な解は導き出せないでしょう。

そうなると、現場作業者による微調整が必要不可欠です。
とくに迅速な判断と行動が求められる状況は、
人間に勝ものは、今のところ存在しないと思います。

今の段階で理想としては、スピードを必要としない、
単純作業をロボットに任せて、

柔軟的な思考と臨機応変さが求められる作業を
人間が行う事によるロボットと人の協働が、
現状の技術では1番理想ではないかと思うのです。

とは言え、ロボットと人が協働をする場合、
人がロボットに使われるのではなく、
人がロボットを使いこなし、
ロボットの改善点をメーカーへ
提案し続ける必要があると思うのです。

そうでなくては、成長も発展もなく、
面白味もない退屈な現場に成り下がってしまいます。

物流現場の作業者の面白みは、
自分で現場作業のフローや環境を変え、作業効率を上げ、
いかに楽に楽しく仕事をするかだと思うのです。

その為には、
考えて、考えて、トライ&エラーを繰り返す必要があります。

そこにやり甲斐や楽しさを感じられない作業者にとっては、
物流現場作業は、単純作業としか捉える事が出来ないでしょう。

逆を言えば、
自分で現場作業のフローや環境を変え、
作業効率を上げ、いかに楽に楽しく仕事をする事に
やり甲斐や楽しさを感じられる作業者がいなくては、
物流会社は成長・発展する事が出来ないとも言えます。

昨今、自動化、DX化がもてはやされいますが、
今だに現場を動かしているのは、
機械やシステムではなく、作業者という人間なのです。
作業者なくては、現場は動かないのが現実なのです。

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