標準時間導入による現場作業者の反応

標準時間を導入する際に、
現場作業者の反応は、大きく分けて二通りに分かれます。

標準時間を導入することに対して、
好意的に捉えて積極的に意見や提案をして協力をする作業者。

標準時間を導入することに対して、
「変なことをやりだしたな」、「きっとすぐやめるだろうな」、
「長続きしないだろうな」と言ったと思う作業者。

なぜ、このように反応が2つに分かれるのでしょうか?

答えのヒントは、「継続は力なり」です。

前者の場合、
改善や改革を継続性を持って持続させている倉庫現場なのです。

後者の場合は、
改善や改革を行っても、三日坊主とは言わないですが、
短期的に元の状態に戻ってしまう倉庫現場なのです。

なので、新しい取り組みを行ったとしても、
後者の場合は、
すぐに止めるだろうと言う思い込みが作業者に植え付けられているのです。

とは言え、その思い込みを作業者に植え付けたのは、
経営者や管理者、監督者の可能性もあります。

なぜなら、
「他人は自分の鏡」と言う言葉があるように、
相手の行動は自分の行動の鏡でもあるからです。

改善や改革を行っても、
短期間で止めてしまっている可能性はありませんか?

そういったことが何回も続くと、
作業者としては、またすぐ止めるだろうと言う考えに至ってしまいます。

その結果、
後者のような思い込みを作業者に植え付けてしまうのです。

標準時間を導入することに対しては、
さらに別な意味での反応が生まれてくると思います。

それは、時間管理をされる事で、
息苦しさを作業者が感じるのです。

今まで、時間管理をされず、
ある程度、自由に自分のペースで作業を行っていた作業者に対して、
いきなり、数値目標を設定し、目標を達成するための行動を求めるのです。

これに対して、
目標を達成する事にやりがいを感じる作業者もいれば、
抵抗感を感じる作業者もいます。

倉庫作業といえば、どんなイメージを持ちますか?

テレビなどでは、
楽天やアマゾン、佐川急便などの倉庫が紹介されていますが、
あのような自動倉庫や自動仕分けなどは大手の倉庫しかありません。

多くの倉庫は、まだまだアナログ作業が主流です。

なので倉庫作業と言えば、
「単独作業、単純作業、自分のペース、気楽な仕事、力仕事、
ルーティーン作業、考えなくて良い作業」といったイメージで、
仕事に就く人も多いことでしょう。

事実、今まではそうでした。

ところが、時代は変わり、
「作業効率、作業品質、経費削減」などを
作業現場でも求められるようになってきました。

そういった背景のもとに、
標準時間の導入は必要不可欠となってきているのです。

ところが倉庫作業は、マンパワーで作業を行ってきました。
なので目標数値を設定して、行動管理などを行うより、
多くのパート・アルバイトを雇い、仕事を終わらせてきました。

そういった慣習や固定概念が根付いてしまったので、
新しいことを導入しようとしても、
どうしても拒否反応を起こしてしまうんです。

その拒否反応をなくすためにも、
改善や改革が行われた後の状況が当たり前の状況にする必要があるのです。

その為にも継続性・持続性が求められるのです。

そのためには、
経営者、管理職、監督官の粘り強い言葉と行動が必要なのです。

特に標準時間の導入をすることによって、
数値目標、行動計画が作られます。

これは、今まである程度、自由に行っていた
倉庫作業者を枠にはめる事になります。

今まで、自分のペースで作業を行ったり、
仲間と喋りながら梱包作業を行ったりすることを奪う結果になるのです。

これに対して、拒否反応起こす作業者もいれば、
素直に作業に集中する作業者もいる事でしょう。

改善や改革を行うと、
必ず、その場に馴染めない人は出てきます。

そういう人は、
同じような仲間を増やして元の状態に戻そうとするか、
自然と辞めていきます。

その時に、人手不足だからと言って、
辞めていく人を無理に引き止めてしまっては、
改善や改革を行うのは難しいでしょう。

それと同じように標準時間を導入し、数値目標設定、行動計画を作成し、
目標を達成するために頑張ろうと言う雰囲気にしたいのであれば、
改善や改革に後ろ向きな人には、職場を去ってもらったほうがお互いの為です。

とは言え、新しいことを受け入れる事が出来ない作業者がいたとしても、
根気強く説明し続ければ、分かってもらえる人がほとんどだと思います。

そのためにも、倉庫作業者にも時間管理に対する
知識やスキルを身に付けるための教育・指導を行う必要があります。

標準時間を導入する為には
作業者は、時間管理の重要性・必要性を
十分に理解している事が必要不可欠なのです。

標準時間の導入は、
倉庫現場の作業者の協力なくして
実現はできないのです。

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