荷主が勘違いしている物流委託業者について

物流業務を委託している荷主が勘違いしているたった一つの事と。

それは、委託している物流会社が物流のプロと勘違いしていることです。

もちろん、その会社の中心的な社員たちは物流のプロかもしれませんが、 現場で実務に携わっている作業者の人たちの多くは、パートや派遣社員、ギガワーカーといった物流経験が浅い、ある意味、素人作業者がほとんどです。

特に新しい倉庫の場合は、現場作業者を新しく募集をする場合がほとんどです。

その際の募集内容としては、「未経験者歓迎、親切に指導をします、誰にでも簡単にできる軽作業です」などと言う言葉で募集をかけます。

なので、気軽に応募してくる人たちが多くいます。

それでも、現場作業が滞りなく行われているのは、単純作業といわれるピッキング・格納・仕分け作業・梱包作業といった部分的な作業だけを任せているからです。

では、そういった人たちが、荷主が求める物流現場の改善対策を考えることができるでしょうか?

荷主側としては、誤出荷を無くしたい、在庫数違いをなくしたい、商品の破損を減らしたい、コストを下げたいといった作業品質の向上を求めています。

ところが、現場で働く人たちは、はっきり言って、そういったことには、まったく関心はありません。

なぜなら、そういったことに対して提案をしたとしても、時給が上がるわけでもなく、何かしらの報酬がもらえるわけでもないからです。

時給とは、あくまでも労働の対価であって、現場の改善対策を考えるなんて事は入っていないのです。

何故なら、改善対策を考え、改善提案書を考えるのは、休憩時間や通常の作業が終わったり、始まる前の場合がほとんどです。

通常の作業時間内に行う事は出来ない場合が多くあります。

なので、いくら会社側が改善対策を考えてほしいと伝えたからといって、真剣に考える人は、ほんのごく僅かです。

また、正社員の作業者であっても、提案をしたからといって、給料が上がるわけでもなく、ボーナスが上がるわけでもなく、 代わりに、提案した内容に対して責任をもたされ、仕事が増えてしまうということがあります。

そんな状況下において、真面目に行う作業者なんて、ごく僅かです。

職場によっては、改善提案書に関して、表彰などをする事もありますが、表彰される人は、ほんの、ほんのごく僅かな人数です。

そういった現状を荷主の方は、まったく知りません。

なので、荷主側としては、なぜ改善ができないのか、疑問に思っていることでしょう。

また、倉庫現場側から荷主側に対して様々な提案意見があったとしても、荷主側から要望をされている様々な課題に対して対応策を行っていないので、なかなか荷主側に対しては、提案意見を言えない心情が生まれてしまいます。

こういった状況なので、荷主が求める現場改善がなかなか進まないのです。

この場合、荷主側が悪いのかと言う考えが生まれてきますけども、荷主側は、物流のプロと言う認識で業務委託をしているので、1番の問題は委託業者であると考えます。

では、どうすればいいのか?

倉庫側が言えない雰囲気を感じているのであれば、荷主側が、倉庫側に寄り添い、積極的にコミュケーションを取る必要があります。

荷主側としては、そこまでやる必要があるのかと思われるかもしれませんが、立場が上の荷主側が、話せるきっかけ作りをする必要があります。

分かりやすく言えば、上司に意見を言えない部下との関係と言ったところでしょうか?

では、荷主側が寄り添って、改善提案に関して意見を聞こうとした場合は、荷主が納得できる意見を聞けない場合があります。

なぜ、納得出来る意見を聞けないのか?

それは、現場作業者は言語化をするのが苦手と言う事もありますが、根本的に知識が足りないのです。

また、自分たちが受け持っている作業工程の改善策は提案出来たとしても、全体の改善を行う提案をする事は難しいのです。

何故なら、現場作業者は、自分の作業工程の事は、よく知っていていも他の作業工程の経験が無かったり、少ないからです。

なので、全体の作業工程を通して改善を考えるのが苦手とも言えます。

その事も、荷主にとっては、初耳かもしれません。

荷主が求める改善をするには、倉庫作業の全体の流れを把握した上で、生産管理・販売計画を踏まえて考える必要もあります。

ところが、多くの場合、倉庫内で完結した改善対策を考えてしまっています。

それでは、改善にも限界があります。

その事に気づいていない荷主側と倉庫側が多いのが現実です。

何故、そうなっているのか?

原因は、荷主側と倉庫側の両方にあります。

荷主側の原因は、物流倉庫業務を倉庫の委託業者に丸投げして、倉庫業務に関しては、無関心だからです。

そして、倉庫側の原因は、荷主に意見を言っても受け入れてもらえない、自分達の仕事は、商品を保管管理し、指示通りに出荷をするだけと思い込んで、生産管理・販売計画に関して無関心だからです。

倉庫業務において、生産管理・販売計画が関係するのかと思う人もいるかもしれませんが、ちょっと考えてください。

倉庫への商品の入荷数、出荷数は、生産と販売がもとになっています。

昔、働いた包装資材の会社では、生産管理の部署と営業の部署が一つの事務所にあったので、両方の部署から情報を得て、倉庫内の整理整頓をして、作業を行いやすくしていました。

もし、生産と販売の情報がなかった場合、商品を置く場所が無い、出荷作業が行いづらいと言った状況になっていました。

この二つの原因を解決するには、荷主と委託業社との風通しをよくして、お互いの事に関して興味関心を持つ必要があるのです。

物流とは、物が流れる事なので、点ではなく、線で捉える必要があります。

その為にも、物流倉庫側が視座を上げる必要があります。

何故、倉庫側が視座を上げる必要があるのかと言えば、答えは簡単です。

倉庫と言う狭い世界に閉じこもって、他の世界を見ない為に、思考の柔軟性を欠き、視野が狭くなっているからです。

こう言った事を荷主側が知らない事により、望んでいる改善が進まない、期待している成果を得られないという状況になっているのです。

最後に
もちろん、すべての物流委託業者が、ここに書かれてる内容に当てはまるとは限りません。

すごく頑張っている業者も多くあるのも事実です。


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