「木は生きている。一本一本に『クセ』がる。

寒い所で育った木は、寒さに強い。

雨の多い所に根をおろした木は、湿気に強い。

自然の猛威に耐えて生き抜いてきた木は、風、雪、嵐に耐える強さがある。

古代建築の南側は、正面玄関になる。

そこには、節目のない目の通ったきれいな木、つまり北西側で育った木で飾り立てたいのが人情であるが、法隆寺の金堂の南側正面には節くれだった、肌触りのよくない南東の木を使っている。

木の個性を知り、それを活かして、自然に逆らわないためである。

どんな木でも、建物の木として使用する為には、伐り出してから三~十年間は寝かせておかねばならない。

その間に、過酷な自然の雨、風、雪、暑さにさらされていた『自然の木』から、『建物の木』へと生まれ変わる為に、体質改善をしている。

『自然の木』であったときは、生育に必要とされていた樹液は、『建物の木』になると不要である。

樹液が残っていて、まだ枯れて乾いていない木を使うと、割れたり、シミが出たり、腐れの原因になったり、思いがけない『クセ』が出て、建物を狂わせたりする。

木の立場で言えば、第二の人生を生きる為には、三~十年の精進を経て初めて、独特の『クセ』-ねじれ、反り、やわらかさが出てくるのである。

こうして、山で二千年生きた『自然の木』が、『建物の木』としてさらに二千年生きるのに必要な条件を満たす事になる・・・・・」

(『法隆寺を支えた木』 西岡常一・小原二郎著、日本放送出版会 より)

 

自分は、この本を読んだ事はない。

この文章を読んだのは、西田通弘氏が書いた「チャンスを逃す人活かす人」である。

 

奈良の法隆寺の金堂・五重塔・大講堂、法輪寺の三重塔、薬師寺の西塔・金堂の修復をした宮大工の棟梁である故西岡常一氏の言葉である。

 

適材適所と言う言葉は、誰でも知っているし、その意味(その人の適性や能力に応じて、それにふさわしい地位・仕事に就かせる事)も知っているだろう。

だが、それを『自然の木』と『建物の木』につなげようと思わないだろう。

そこが、『自然の木』を知り尽くし、伝統の技術を受け継いできた宮大工の棟梁の言葉と言える。

 

企業で、よく適材適所と言う事を聞くが、その本質を判って使っているのだろうか?

自分は、今まで転職をして、少なからず色々な人達を見てきたが、適材適所と言うような人材の配置をしているところを見た事がない。

自分の場合、役目以外の仕事を自分の判断でやると、抑えつけられるか、勝手にやっていろと言うかのように、ほっとかれる。

ただ、自分の勤めた会社が二流や三流だっただけかもしれないが。

とは言え、自分の判断で動く事で、上司とは溝が大きくなったが、仕事上では色々な経験をする事が出来た。

仕事内容が、倉庫業だったのが幸いし、利害関係がないコミュニケーションを取る事ができ、良い影響をもらえたと思う。

こうして、ブログを書いているのも、そう言った経験があってこそだと思う。

「チャンスを逃す人活かす人」に”リーダーに対して部下は、自分らしい人生を演出できる舞台の演出家的役割を期待しています。その期待に応えるのがリーダーです。”と書かれている。

藤澤氏の懐刀である西田氏らしい言葉だと思う。

自分が、西田氏の本を読もうと思ったのは、藤澤氏の懐刀と呼ばれ、絶対的な信頼を寄せられていると知ったからである。

藤澤氏の本だけでは、見えてこないモノも、愛弟子とも言える西田氏の本を読む事で、違う角度から見る事も出来る。

この本を読んでいたそう思える。

 

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