立場が違えば

ホンダが掲げている三つの喜び。

 

本田宗一郎氏が掲げている三つの喜びは、

「私はわが社のモットーとして三つの喜びを掲げている。

第一が作って(メーカー)喜び、第二に売って(代理店、小売店)喜び、第三が買って(お客様)喜ぶである。

三つの喜びが有機的に結合してこそ、生産意欲の高揚と技術の向上が保障され、経営発展が期待される。」

と語っている。

 

それに対して、藤沢氏は、

「ホンダは三つの喜びをモットーに揚げているが、順序を変えなければ企業は失敗する。

企業は、”お客様の喜び”を第一にしなければならない。

その喜びがあって初めて、売る喜び”がある。

その二つの喜びの報酬として”作る喜び”になるのが順序である。」

と語る。

 

お互いが大切にしている人間尊重と言う考え方が根底にあるのは垣間見えるが、宗一郎氏と藤沢氏の立場の違いが明確に表れている気がする。

 

宗一郎氏は技術屋らしく、第一に作る喜びを持ってきている。

とは言え、

「モノを作る時には、それと一番長い事付き合わなきゃならねぇ人の事を考えろ。

一番長いのはお客さんだろ。

その次は売った店の修理工だろ。

その次が、うちの工場の人間だ。

作り出した本人のくせして、一番短いのは設計者だ。

ずっと使う身になって考えたら、不親切なモノなぞ設計出来ねぇはずだ!」

と語る。

 

藤沢氏は、経営の全責任を担っているので、”お客様の喜び”を第一に持ってくるのは当然だろう。

ただ、お客様に喜びを与える為には、安全で高品質の製品を作る必要がある。

その点、技術に関して、絶対の信頼を持ている宗一郎氏の存在が重要で、どれほど大きかったか判る気がする。

 

また、宗一郎氏がいかに天才的な才能と技術を持っているとは言え、工作機械が古くては、考え通りの高品質の製品を作る事は出来ない。

その為、藤沢氏の経営手腕が、宗一郎氏には必要不可欠な存在でもあった。

藤沢氏の経営手腕により、最新式の工作機械を購入する事ができ、宗一郎氏の才能と技術をいかんなく発揮する事が出来るようになる。

 

 

宗一郎氏の技術と藤沢氏の経営手腕があってこそ、度重なる危機を乗り越え、お互いの夢を現実のものにしてきたのだと思う。

もし、二人が出会っていなければ、また、共同経営者と言う立場を取らなければ、日本の自動車業界の歴史は確実に変わっていたのではないかと思う。

 

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