人にやりがいを与え、自信を与える仕事の教え方


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敷居

人を活かす為の仕事の教え方は、一言で言えない相手を褒めて、自信を持たせる事です。
その為には、減点法の教え方ではなく、加点法の教え方が必要不可欠です。
 
そして、私の転職10回の経験から言えることは、「〇〇だろう」という考え方で仕事を教える事は、相手が仕事を辞めるきっかけを作っています。
 
 
車の運転で事故に繋がる可能性がある「〇〇だろう運転」。
「相手が止まってくれるだろう」
「スピードを緩めてくれるろう」
「こちらの動きに気づいているだろう」
「道を譲ってくれるだろう」
など、こちらの都合のいい思い込みで一歩間違えたら事故になる「だろう運転」です。
 
これと同じで仕事を教える時に、相手に対して「これぐらいは出来るだろう」、「これぐらいは知っているだろう」「出来て当然だろう」、「仕事を覚える努力をするのは当然だろう。」という「〇〇だろう」という仕事を教える側の都合のいい思い込みで仕事の教え方を教えている場合が多々あります。
 
 
そして、その「〇〇だろう」という仕事の教え方の根底にあるのは「減点法」なのです。
出来て当たり前のレベルの基準を「0」として、出来ていない部分があれば減点をしていきます。
基準のレベルが高ければ高いほど、教える相手に対する評価が厳しくなります。
 
この減点法による評価基準は、「自分が出来たから、相手も出来て当然」、「自分も同じ基準レベルで仕事で覚えたから、相手も同じ基準レベルで覚えて当然」、「これぐらいの基準レベルは、最低レベルなので出来て当然」という教える側の一方的な判断基準・価値基準により、仕事の基準レベルを決められてしまう場合が多々あります。
 
では、教えられる側の視点で考えた場合、どうなるでしょうか?
正直、迷惑極まりないとしか言えません。
 
なぜなら、教える人と教えられる人とは、仕事に対する姿勢・人生観・ライフスタイル・経験・実績・知識、性格・価値観が違うからです。
 
それを最初から教える側の価値基準による「〇〇だろう」という思い込みで仕事を教えられるという事は、最初から相手に無理をさせてしまう可能性があります。
 
 
最初の頃は、仕事の手順を覚えていない事もあり、段取りが上手くいかず、失敗したりして、効率が悪くなり、仕事が遅くなったりします。
 
ただ、少しづつ仕事に慣れてくる事で、段取りが上手くいくようになり、仕事も少しづつ早く出来るようになってきます。
それでも、うっかりミスや思い込みによるミスは、経験が浅いゆえになかなか減らないものです。
 
そのうっかりミスや思い込みによるミスに焦点を当てられ、仕事が出来ていない、やる気を感じられないと注意をされたら、教えられる側は、どう感じるでしょうか?
 
ミスや出来ていない部分に焦点を当てて評価するのが減点法ゆえに出来ている部分は、見過ごされしまいます。
 
それ故に、教えられる側の気持ちとしては、ミスもしているけど、他の部分では少しづつでも出来ているのに、なぜ、その部分を見てくれないのか、褒めてくれないのかという不満が少しづつ溜まっていきます。
 
それと同時に、自分は成長出来ていない、この仕事には向いていないのではないかという自己否定をする感情が生まれてきます。
 
 
本当なら、成長出来ている部分もあるにも関わらず、教える側の出来ていない部分への指摘により、出来ていない部分しか見る事が出来なくなってしまいます。
 
その結果、仕事でミスをするの怖くなり、仕事に対して自信を失い、仕事に対して臆病になり、積極性が無くなり、仕事をする気力を失ってしまいます。
 
そんな態度を見て、仕事を教える側は、仕事に対してやる気が無いと思い込み、さらに厳しくするか、見捨てるかという選択をすることでしょう。
 
教えられる側しては、見捨てられた方がいいとも言えます。
その方が、自分のペースで仕事に取り組み、学んでいく事が出来るからです。
運が良ければ、社内で本当の意味で仕事を指導してくれるメンターと出会える可能性もあります。
 
逆にさらに厳しく教えられると、自分の出来ていない部分しか見えなくなり、自己肯定感が持てず、自信を失い、自己否定感で心が満ち満ちて、心が折れてしまい、最悪、精神を病んでしまう可能性すらあります。
 
 
 
昔の日本企業は減点法で、従業員を鍛えてきました。
なぜ、昔の従業員は、厳しい指導法に耐える事が出来たのでしょうか?
 
その答えは簡単で、「生きる為、生活する為、家族を守る為、少しでも良い生活を手に入れる為」という気持ちで耐え忍んだからです。
耐え忍んだ見返りとして、日本は高度経済成長をし、日本全体の生活水準が向上し、バブル時代を生み出しました。
 
 
ところが今の時代は、正社員の他にアルバイト・パート・派遣社員・契約社員といろいろな雇用形態が確立され、生活保護というセーフティーネットもあります。
 
生きていく為の手段や選択肢が多くなり、将来ではなく、今を生きる為ならどうにかなります。
その為に、自己否定しか生み出さない厳しさだけの指導法を耐える意味がなくなったとも言えます。
 
では、今の時代、仕事を教えられる側は、何を求めているのでしょうか?
答えは、自分の事を認めてくれて、価値を感じさせてくれる教え方なのです。
 
その理由として、マズローの欲求5段階説があります。
 
マズローの欲求5段階説にある5段階のうち、第1階層「生理的欲求」、第2階層「安全欲求」、第3階層「社会的欲求(帰属欲求)」までは、今の時代は、さまざまなセーフティーネットなどにより満たされています。
 
第1階層から第3階層までの説明は下記の通りです。

第1階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。

第2階層の「安全欲求」は、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。

第3階層の「社会的欲求(帰属欲求)」は、集団に属したり、仲間がを求めるようにます。

第1階層と第二階層は、行政などの生活保護政策により保証されています。

そして、第3階層は、これまでは、会社に属する場合で満たされる事が多かったですが、今の時代は、SNSの普及により、会社という組織に属さなくても、自分の価値観・趣味にあった様々な集団に属する事で満たす事が出来るようになりました。

 
その結果、会社に対して求めるものは、第4階層の「尊厳欲求(承認欲求)」に変わってきました。
尊厳欲求・承認欲求とは、自分の事を認めて欲しい、褒めて欲しいといったことを意味します。
 
別の言い方をするのであれば、自分の価値を認めてもらい、自分は役に立っている、自分は必要とされていると実感をしたいのです。
 
そのためには、減点法による仕事の評価は、間違いとしか言いようがありません。
 
なぜなら、自分が出来ていない部分に焦点を当てられてしまうからです。
 
自分の出来ていないを事を知る事は大切です。
ただ、出来ていない部分ばかりに焦点を当ててしまうと「自分には価値が無い」、「誰の役にも立てていない」、「自分は必要とされていない」という負の感情に支配をされてしまいます。
 
また、出来ていない部分ばかり見ていると、「自分には出来ない・無理」、「この仕事をしていても迷惑をかけるだけ」といったような事を無意識に考えてしまいます。
 
そして、その負の感情や考えが潜在意識にまで浸透することで、仕事に対して無気力になったり、積極性が無くなっていきます。
 
そうさせない為にも、相手の尊厳欲求・承認欲求を満たしてあげる必要があります。
 
「そこまでする必要があるか」、「そんなのは甘えだ」と言う人もいると思いますが、そこまでする必要があるのが今の時代なのです。
 
なぜなら、大半の人達が、生活が安定し、不自由がない生活を過ごす事が出来ているのが今の時代だからです。
言い方を変えれば、最低限の生活が出来るお金は、様々な手段で手に入れる事が出来るのです。
 
そんな時代ゆえにお金だけを求めて仕事を選ぶ人は減っていき、自分のライフスタイルに合わせたり、心が満たされる仕事を選ぶ人が増えてきました。
 
分かりやすく言えば、
「最低限の望む生活が出来るだけの給料を貰え、仕事を丁寧に教えられ、仕事で少しでも出来てきた部分に気づいてもらい褒めてもらう事で、仕事に対して自信と自己肯定感を得られ、仕事に対してやりがいを感じ、自分の存在価値を与えてくれる会社」と
「タワーマンションの最上階に住み、海外旅行にも何回も行ける贅沢な生活が出来るだけの給料が貰えるが、仕事は誰にも教えられず、仕事は自分で学び、出来ている部分は出来て当然と見られ、ミスをすれば学びが足りない、努力が足りないと自己責任論を言われ続ける会社」、
どちらの会社で働きたいかと選択を迫られた場合、多くの人は前者を選ぶのが今の時代なのです。
 
 
仕事を教える側(会社側)として、仕事の内容を相手のライフスタイルに合わせるのは無理があるとしても、仕事で心を満たす事は、方法次第で可能です。
 
そのヒントが、先ほどお伝えした相手の自尊欲求と承認欲求を満たす事なのです。
 
自尊欲求や承認欲求を満たすにはお金は必要ありません。
 
必要なのは、相手に関心を持ち、「おめでとう」「上手くなったね」「良かったよ」「ミスが少なくなったね」「出来るようになったんだね」など、成功や成長に対して言葉をかける気遣いや心遣いなのです。
 
別の言い方をすれば、「おもてなしの心・ホスピタリティ精神」を基にした声掛けであり、行動なのです。
 
ただ、自分の仕事に追われて、相手の成功や成長を気にする余裕が持てないと言う人もいるのが現実です。
 
であるからこそ、加点法による評価が必要になってきます。
加点法による評価は、出来ている部分に焦点を当て評価を行います。
なので、自然と相手の成功や成長に焦点を当てる事ができます。
 
その為に仕事に関する目標を作り、定期的に目標を達成する過程を一緒に振り返ります。
そうする事で相手が成長している過程を一緒に共有することが出来、相手の事を褒めたり、認めたりするきっかけを作る事ができます。
 
以上の事から、人を活かす仕事の教え方は、「出来ていない事、ミスした事」に焦点を当て方ではなく「できていること、達成したこと」に焦点を当て声をかけることが大切なのです。
 

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