物流作業者の多能工化の必要性
物流倉庫作業において、正規雇用の作業者は多能工化する必要があります。
そうでなくては、非正規雇用者との差別化が図れないだけでなく、人手不足の工程にサポートに入れません。
ただ、作業者を多能工化するには、時間と根気、適切な指導・教育が必要不可欠です。
また、倉庫が大きくなればなるほど、作業の分業が進み、なかなか他の工程を経験する機会が少なくなってしまっています。
世の中、物流DXや自動化・省人化が最適解と言う風潮ですが、物流現場は、まだまだ、多くの作業者が携わり、現場を回していくのが現状です。
そのことを考えても、現場作業者の多能工化は、まだまだ、求められると考えます。
では、現場作業者の多能工化をするメリットは、
1:効率の向上
一人の作業者が複数の工程を担当できることで、作業の流れがスムーズになり、全体の作業効率が向上します。
なぜなら、作業者が各工程の時間的な流れや要件を理解しているため、全体最適の行動を取りやすくなるからです。
2:柔軟性の向上
人手不足や特定の工程での繁忙など、突発的な状況にも柔軟に対応可能となります。
特に、繁忙期やイレギュラーな状況においては、作業者を多能工化する事により柔軟に対応することが出来ます。
3:作業者のモチベーション向上
様々な工程を経験することで、作業者は、さまざまなスキルや知識を身に付け、仕事に対する理解度が高まり、仕事に興味を持つ事で、仕事に対して積極性が増します。
これにより、長期的な社員の定着と成長に貢献します。
4:コスト削減
複数の工程を一人の作業者が担当することで、人件費の削減につながります。
また、効率化による時間の短縮もコスト削減に繋がります。
例えば、午前中、荷受け作業をして、商品を倉庫内への格納、午後からピッキング、梱包、積み込み作業を一人の作業者が、すべて担当し、現場を仕切ることが出来ます。
もちろん、これは、小さい倉庫の場合ですが、一人で、様々な工程を内容を把握している事で、全体を通した時間の流れを把握することも出来ますし、次の工程の事を考えて、段取りを行う事が出来るようになります。
次の工程の事を考えて、段取りが出来るのと出来ないのとでは、作業効率は格段に変わってきます。
これは、料理を作るのと同じです。
しっかりとした下ごしらえをしているのと、していないのとでは、料理の段取りが変わってきます。
また、料理をしながら、片づけたり、調理器具を洗ったりする事で、調理場の使い勝手は変わってきます。
煮込み料理をした場合、煮込む時間を無駄にする必要はありません。
やれる事は、先手先手でやっていく事で、後の作業が楽になってきます。
物流現場においては、時間が限られているというよりも、時間に追われています。
だからこそ、先手先手で行動をする必要があります。
その際、次の工程の内容が分かっていないと、どんな行動をすればいいのか分かりません。
だからこそ、作業者の多能工化が必要となってきます。
物流業界は、デジタル化、物流DXなどにより変革の最中にありますが、人材の重要性は変わりません。
多能工化は、効率性、柔軟性、コスト削減、そして作業者のモチベーション向上に強い関連性を持っていますので、物流倉庫の生産性と競争力を高めるためには欠かせない戦略の一つです。
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