物流現場における情報の活用

現場作業者の成長が会社の成長に直結!

前回のブログ「作業者の多能工化で単純作業のイメージ脱却
で、物流の作業の「保管」、「荷役」、
「流通加工」、「梱包/包装」、「運搬/輸送」、
「情報管理」の内、「情報管理」は、
事務作業が多く含まれるとお伝えしましました。

では、現場においての情報活用は
出来ないのかと言えば、そうではありません。

少なくとも入出庫と在庫管理においては、
情報は、つねに最新のものを入手しておく必要があります。

昔であれば、入出庫の情報は、
事務所のパソコンでしか確認する事が出来ませんでした。

ところが、今は、現場にもパソコンが設置されたり、
タブレット端末やハンディーカムなどによっても、
簡単に情報をリアルタイムで確認する事が出来ます。

特にDXと言う言葉が流行り出してからは、
大手の物流企業は、予約バースシステムを始め、
WMSシステムなどにより、積極的に情報の共有化などで
活用を行っています。

ところが、中小の物流の現場作業者は、
情報の重要性を認識していない傾向があります。

その一番の原因は、毎日、同じ作業をして、
同じように終わらせる事に慣れてしまって、
新しいシステムや価値観を受け入れない
マインドになってしまっているからです。

そうなってしまっているのは、
現場作業者の高齢化とパートやアルバイトの依存でしょう。

既存の作業者で、
古参であればあるほど、新しいのもを導入せずとも、
今までの経験と勘で作業を回してしまいます。

もちろん、それはそれでトラブルで
システムダウンした時には、とても役に立ちます。

ただし、平常時においては、
情報の活用はとても重要になってきます。

例えば、入庫に関しては、予約バースの活用により、
一日に入ってくるトラックの台数と時間、
荷主、商品、数量(パレット枚数)が事前に分かります。

この情報が有るのと無いのとでは、
現場作業の段取りは、かなり変わってきます。

とくに入り時間と商品、数量が分かる事で、
バース(荷受け場)の状況をどのようにすればよいか
イメージが出来ます。

また、荷量に合わせて、検品者、リフトマン、
その他の作業者の人数を配置をする事が出来ます。

昔であれば、いきなりトラックが来て、
荷物の降ろし場所が無い、作業者が足りないなどで、
それまでの段取りが崩れてしまう事があります。

それが当たり前と思っている作業者にとっては、
情報なんて有っても無くても関係ないものと言う認識なのです。

逆に情報を活用している作業者にとっては、
情報は必要不可欠なものでなのです。

これは、情報に対する認識の違いだけでなく、
作業効率に多く影響を与えます。

野球やサッカーを始め、スポーツ業界において、
情報は戦略を考える上でとても重要なものになっています。

また、経営戦略や営業の資料作りに至るまで、
情報をもとに作られています。

努力と根性だけで、リーグ戦に優勝したり、
競合他社を押しの顧客を獲得したり、
業界内のシェアを増やしたり出来ないのです。

そう考えた場合、古参の現場作業者の経験と勘を頼って、
作業を行うと言う事は、成り行き任せで作業を行う事になります。

その為、作業効率が良い時もあれば、悪い時もあります。

もちろん、繁忙期、閑散期と言うものがありますので、
一年を通しての作業効率を見る必要があります。

言い換えれば、
作業効率を上げる対策を一年と言う視点で考える必要があります。

これからは、人手不足、労働時間規制、
残業時間規制と経営者や現場責任者は三重苦になる可能性が高くなります。

もちろん、繁忙期は、派遣やパート・アルバイトの時給を高めて、
募集をして乗り切るから、うちは大丈夫なんて言っている会社は、
成長も発展もなく、
時代の流れに置いて行かれ、顧客を失っていく事でしょう。

なぜなら、顧客の立場からしたら、
現状維持をしている会社にどんな魅力を感じるのでしょうか?

とくにシェアを拡大して、
成長・発展を考えている会社ほど、
委託業者を厳しく見ています。

ただ、荷物の多くを委託している事で、
切るに切れないというジレンマに苛まれている場合があります。

もし、委託業者を変える段取りが、
簡単に出来れば、簡単に変える事でしょう。

委託業者を変えると言う事は、
必ず、何かしらのトラブルが付きものです。

とくに倉庫関係であれば、在庫差異の問題でしょう。

元の倉庫業者が、倉庫内をしっかりと整理整頓して、
在庫管理をしていたとしても、絶対はありません。

逆にいい加減な倉庫業者であれば、
整理整頓が出来ておらず、確実に在庫差異は起こっています。

そうなっている倉庫を誰が引き受けるのでしょうか?

火中の栗を拾いたがるでしょうか。

そういった問題があるからこそ、
なかなか委託業者を変える事が出来ないのです。

顧客に契約を切られるという最悪の結果を招かない為にも、
在庫管理においても情報は必要不可欠です。

最近は、WMSシステムの導入により、
昔に比べれば、在庫数は正確にはなってきました。

それでも入出庫の処理をせずに
荷物の移動を行う場合があるので在庫差異は起こっていきます。

医薬品の様に商品単価が高い場合、
少しでも在庫差異があれば、それなりの金額になります。

医薬品の場合、管理がしっかり行われているので、
めったに在庫差異は起こらないとは思いますが。

在庫差異を起こさない為にも、
現場には正確な在庫情報を提供する必要があります。

WMSシステムは、万能ではありません。

作業者が機能を理解し、適切に活用する必要があります。

そこにも大きな壁があります。

年齢が上がるほど、新しいシステムの活用より、
今までの慣れ親しんだ作業手順に固執してしまいます。

固執した結果、
リアルタイムの情報を手に入れる機会を逸してしまっています。

よくあるのが、
顧客から現物の在庫数の確認をして欲しいという依頼があります。

その時に、事務所のパソコンで在庫数を確認してから、
現物の在庫数を確認しに行くか、
作業者一人ひとりにハンディーカムを持たせて、
そのハンディーカムから、直ぐに在庫数を確認して
現物の在庫数を確認するか。

これだけでも、工数や必要な時間が変わってきます。

また、現場において置き場所やレイアウトを変更を行う場合、
在庫数の確認や入出庫の荷物の数量を事前に確認する事で、
無駄な置き場所変更やレイアウトをしなくて済みます。

よくあるのが、現状の在庫数をもとにして、
置き場所やレイアウト変更をしたとしても、
2~3日後にいつもより多く荷物が入荷したり、
出荷したりした場合、きちんと整理整頓をされていた
倉庫内に無駄なスペースが生まれてしまいます。

事前に入出庫の荷物の数量を把握していれば、
その数量を加味した置き場所やレイアウト変更をする事で、
無駄な行動やスペースを生まなくて済みます。

とはいえ、場合によっては、
顧客のサーバーにアクセスする必要が出てくるので、
顧客との信頼関係が求められます。

出荷数の情報も同じようなものです。

あらかじめ、出荷数の情報が分かっていれば、
数量に合わせて荷物を置くスペースの確保や
作業者の配置を行う事が出来ます。

これは、今までの情報をもとにして、
ある程度は、予想が出来るので、それほど難しくはないと思います。

入出庫の情報は、リアルタイムで現場の段取りに
反映させる為に必要ですであり、在庫の情報は、
現場作業の効率を上げる為のレイアウト変更に活かす事が出来ます。

また、入出荷量、在庫数の情報から、
顧客の荷物の動きが分かるだけでなく、
経営方針が多少なりとも見えてきます。

繁忙期、閑散期でもないのに、
入出荷量が大幅に変わった場合、経営に何かあったとすぐに分かります。

コロナの影響を受けた物流関係を例に挙げれば、すごくよく分かると思います。

飲食店に休業要請が出された事で、飲食関係の物流量は減りました。

また、半導体不足により、
工場のラインを止めた事で、工場に部品を運ぶ物流も減りました。

両方とも、完全に止まると言う事ではなく、
通常より減ったという印象でしょうけど、
物流の倉庫においては、各方面に出荷をする場なので、
明らかに出荷量は減った事を感じるのです。

また、現場作業者だからこそ、
長期保管在庫を情報をもとにして確認することが出来ます。

長期保管在庫は、顧客の方は、そのうち出荷しよう、
機会が合ったら出荷しようと思いつつ忘れている可能性もあります。

正直、賞味期限や消費期限が無い商品は、
長期保管在庫になる可能性があります。

期限が無いからと言っても、
外装箱は、劣化したり、日焼けして変色したり、
埃が被って、見た目が悪くなります。

破損はしていなくても、
このまま出荷しても良いのだろうかと言う
商品を今までにいくつも見てきました。

また、長期保管在庫は、倉庫スペースを圧迫します。

現場作業者としては、空きスペースを確保する事で、
安全性の向上、作業効率の向上、イレギュラー対応をする為に
空きスペースを確保したいのです。

空きスペースを確保が有るのと無いのとでは、
作業をするにしても精神的、作業的に余裕が違います。

とくに繁忙期であれば、少しでも空きスペースは欲しいものです。

以上の様に物流現場において情報は、
とてつもなく重要なものであり、必要不可欠のものなのです。

フィジカルインターネットも、
このような情報を活かす事で初めて成り立ちます。

言い換えれば、情報を活かしきれない、
昔ながらのアナログ作業に固執している現場においては、
フィジカルインターネットの枠組みから外れてしまっているのです。

そうならない為にも、情報の重要性に気づき、活用し、
現場の作業効率アップに結び付ける為の現場作業者を育成する必要があります。

そう考えた場合、
向上心があり、学習意欲が高い若い人が、絶対的に必要なのです。

経験があっても、
それなりに年齢を重ねている人には、会社の次世代を任せる事は出来ません。

会社を成長・発展・継続させる為には、若い人以外にはいないのです。

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