物流の本当の仕事とは？
物流とは、言ってみれば、
会社の資産となる商品を扱う仕事なのです。
一般的に物流の仕事とは、
商品を保管し、商品を顧客の商品を消費者へ届けると言う認識です。
そして、今問題になっているトラックドライバー問題。
これは、物流の中でもラストワンマイルとよばれる
配達拠点からお客様へ届ける部分に当たります。
その為、消費者に1番影響を与えて、
身近に感じられるのではないかと思います。
なので、国も1番問題視をして、
配達ドライバーへの参入規制を緩和もしています。
ただ、緩和をしたからと言って、
参入する人が、大幅に増える事はありません。
その結果、
ドライバー1人に掛かる負担が増大をしているので、
労働組合の発足などと言った状況を生み出しています。
こう見ると、物流の仕事は、
ラストワンマイルの部分ばかりが、
仕事量が増大して危機的状況と見られがちです。
では、物流の仕事は、
ラストワンマイルの配達業務だけでしょうか？
２０年以上、
物流の倉庫関係の仕事に関わっていた私から言えば、
配達業務こそ、誰でも出来る代えがきく業務なのです。
だから、規制緩和をする事で、多くの人を呼び込んでいるのです。
では、物流の本当の仕事とは、何でしょうか？
業務の具体的な内容としては、「運搬」、「保管」、
「荷役」、「加工」、「梱包・包装」、「情報管理」
となりますが、ただ、これは、表面的なものになります。
物流とは、
言ってみれば、会社の資産となる商品を扱う仕事なのです。
もう少し詳しく言えば、会社の商品は、
お客様からの注文に従って、商品をお届けする事で、
商品をお金に変え、運転資金に変える重要な仕事なのです。
もし、在庫管理がしっかと行わられていないと在庫差異が起こります。
在庫差異があると言う事は、会社の資産も変わってきます。
そうなってしまうと会社の決算にも影響を与えます。
なので、最低年に一回は棚卸して在庫確認を行います。
こう考えると物流の仕事は、
商品を保管管理して、運ぶものと言う側面だけでなく、
会社の資産を管理する重要な側面が見えてきます。
本来であれば、
会社の資産を管理する部分を重要視する必要があるのです。
ところが、日本はバブル期により、
作れば売れるという成功体験により、
資産管理と言う側面ではなく、商品を保管、
運ぶと言う側面を重要視し過ぎました。
その結果、物流の現場は、
その日に与えられた作業を終わらせる為に
人海戦術に頼ってきました。
人海戦術に頼ると言う事は、パートやアルバイト、
派遣社員といった短期の労働者でも行える
作業内容にする必要があります。
それが長年続き、物流の仕事は、
誰にでも出来る単純作業と言う認識が固定しまったのです。
その反面、会社の資産を管理すると言う
重要かつ専門知識が求められる仕事の側面が薄れていきました。
これが、何を意味するかと言えば、
会社の経営戦略から物流が外れる事を意味します。
海外では、物流は経営戦略に組み込まれています。
なのに日本では会社の資産を管理する部門でありながら、
経営戦略から外れるのはおかしくありませんか？
商品の出荷、在庫状況を把握しなくては、
生産計画を立て、経費削減を行う事は出来ません。
商品の出荷数や在庫数は、
数字を見れば分かると言う方も多いと思います。
ただ、現場に行かないと
分からない見えないものが沢山あります。
昔、私が働いていた会社の倉庫には、
お客様からお預かりしている商品が多くありました。
ただし、営業担当者が売り上げを上げる為に、
お客様に無理を言って注文をしてもらっている関係上、
商品の保管料は貰っていなかったそうです。
その結果、倉庫内を圧迫して、
本来、保管出来る商品が保管出来なくなり、
他社の倉庫を借りる必要が出てきて、
無駄な経費を生んでしまいます。
これは、現場を見たり、
現場で働かないと知る事は出来ません。
ただ、倉庫の状況を知っていたとしても、
生産管理や在庫管理などの知識がなくては、
会社側へ具体的かつ適切な報告が出来ません。
なので、
倉庫現場作業は、単純作業ではありませんし、
誰にでも出来る作業でもありません。
物流の本当の仕事を理解していれば、
優秀な人材を配置しているはずです。
ただ、日本の企業も、
物流の重要性に気づいたと言うか、
経費削減が出来る部分が無くなってしまったので、
物流の効率化に乗り出したとも言えます。
それに拍車を掛けているのが、
「２０２４年物流問題」でもある
トラックドライバー不足と労働時間規制です。
「２０２４年物流問題」により、
物流の重要性が見直しをされた結果、
物流の本当の仕事である会社の資産管理に
フォーカスされるのではないかと希望を持ちたいです。
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