物流という仕事の魅力とは
物流という仕事の魅力とは
物流の仕事は、トラック、倉庫、単純作業、ルーティーン作業、
力作業、腰を痛める、残業が多い、給料が安い、
暑い、寒い、汚い、埃っぽい、労働環境が悪い、休憩室が狭い、
交通の便が悪いといったイメージが一般的ではないでしょうか。
ここで、多くの人が勘違いして部分があるのではないかと思うのです。
一般の多くの人は、
物流は、宅配便などの佐川急便やヤマト運輸と言った
個人向けを思い浮かべているのではないかと思うのです。
物流と言っても荷物を運ぶだけが仕事では無いのです。
商品の保管管理も物流の仕事の一つです。
なので、多くの人が知っている物流の仕事は、一部でしかないのです。
もし、商品を運ぶだけが仕事であれば、
これほど簡単で、単調な仕事はありません。
物流とは、商品を清潔に破損なく、
在庫違いを起こさず、保管をし、
指示通りに商品を出荷する事も仕事なのです。
最近では、
余分な在庫を持たない傾向にありますので、
正確な在庫管理は重要視されます。
とはいえ、人間のやる事です。
棚卸しをすると多かれ少なかれ在庫違いは起こります。
扱う商品の単価にもよりますが、
在庫違いにより数十万単位で会社の資産が変わってくるのです。
在庫違いにより、会社の資産がそこまで変わってくるのか、
不思議に思う人もいるかもしれません。
商品とは、会社の資産であり、
商品を売る事で、初めて運転資金に変わるものなのです。
なので、倉庫内で保管をしている限り、会社の資産なのです。
逆に言うと商品を売らなくては、
いつまで経ってもお金に変えて、運転資金にする事は出来ません。
それまでは、お札ではなく、
商品という形で会社の倉庫で保管をされているのです。
ちょっと見方を変えると、
物流とは、会社の資産である商品を
お札に変える為の1工程を担っているのです。
もしかしたら、
保管や在庫管理なんて、簡単じゃないかと思う人もいるかもしれません。
ところが、これほど、頭を使い、柔軟な対応を求められる事はありません。
なぜなら、毎日、商品の入出荷があるのです。
言い換えれば、商品の入れ替わりを毎日行なっているので、
毎日、倉庫内の状況が変わっているのです。
ただ、自動倉庫などを使っている場合は、別です。
自動倉庫の場合は、
商品を格納する場所をそれほど考える必要がないからです。
自動倉庫は、楽ですが、
設置費用やメンテナンスなどにお金がかかる為、
なかなか導入出来ないのが実状です。
その為、
パレットラックなどを使い商品を保管管理している倉庫が多いのが実状です。
その場合は、
倉庫内の整理整頓をしっかり行い、
常に倉庫内の状況を把握しておく必要があります。
そうでなくては、毎日の入荷に柔軟に対応が出来ないのです。
又、倉庫の出荷は、
先に入荷した商品から出荷すると言う先入れ先出しが
基本なので商品の格納場所を考える必要があります。
言ってみれば、
毎日、完成図が決まっていないパズルを倉庫内で組み立ているようなものです。
完成図が決まっていないと言っても、
倉庫現場が長い現場作業者であれば、二歩、三歩の状況をイメージして、
それを一つの完成図として、パズルを組み立てていきます。
もちろん、状況が変われば、
新たな完成図をイメージして、パズルを組み立てて行きます。
その為にも、常に商品の動きの情報を分析し、
仮説を立て、状況に応じて判断、行動していく必要があります。
商品の動きを分析する事で、
どの商品の入出荷の動きが早いか、
遅いかを現物を確認しながら知る事が出来るのです。
これが、何を意味するにかと言えば、会社の経営状況を知る事が出来ます。
例えば、定番商品として、AとBの商品があったとします。
Aと言う商品は、
コンスタントに出荷をして、在庫が貯まる事がないのに対して、
Bと言う商品は、出荷数が減り、在庫が増えて、
倉庫内の占有率が高くなり、圧迫し始めたとします。
普通であれば、
単純にBの商品が売れなくなったなと感じるだけかもしれません。
そこで、ちょっと視点を変えてみます。
Bの商品担当者が、売り上げの数字が欲しいばかりに、
顧客に無理を言って商品を発注をしてもらい、
その条件として、
必要になるまで無料で倉庫で保管をしている場合もあるかもしれません。
(昔、私が働いた包装資材製造メーカーで、実際にありました。)
これが何を意味するかと言えば、
会社の売り上げが落ちて、
営業担当者が苦肉の策で顧客に頼んでいる可能性があるのです。
このように会社の経営状況を在庫視点から知る事で、
会社側へ、現状を知らせ、生産計画などへ提案を出す事も出来るのです。
この様に物流といっても、
さまざまな仕事があり、モノを運ぶだけではないのです。
物流は、力作業・単純作業で、地味で、
やりがいや達成感を感じられないというのは、
表面上の仕事しか見ていないのです。
トラックドライバーも、そうです。
荷主先へ行き、荷物を積み、運ぶだけでは、
単調で、単なる力仕事、トラックを運転する人になってしまいます。
ちょっと考え方を変えれば、
荷主や顧客の情報や荷物の動きの動向を現場作業者を通して知り、
その情報を会社に伝える事で、新しい荷物の獲得に繋がる可能性もあるのです。
簡単に言えば、セールスドライバーの役割を担う事も出来るのです。
ただ、単発の貸し切りトラックの場合は、
難しいので定期便のトラックに限られてしまう可能性はありますが。
それも、情報収集は可能なはずです。
物流とは、会社の資産を扱う重要な部門であり、
会社の経営状況の一部を知る事が出来る部門なのです。
物流が止まれば、
世に中の経済活動に大きな影響を与えるのと同じで、
会社内の物流が止まれば、会社の経営にも大きな影響を与えます。
言い換えると、経営の一部を担っているのです。
その事をしっかりと自覚すると、
物流と言う仕事のイメージが変わり、物流の奥深さに気づき、
物流と言う仕事の魅力にも気づけるはずです。