5Sの土台となる為の整理整頓の理想の状態とは
以前、
2Sは5Sの土台とお伝えしました。
5Sの土台とするべき
整理整頓の理想の状態とは、
機能美を実現している状態なのです。
機能美の意味を調べると
・建築・工業製品などで、
余分な装飾を排してむだのない形態。
・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさ。
とあります。
倉庫内の整理整頓を行う際、
追求すべきは安全性・生産性を高める為の
状態(形態)やレイアウト(構造)です。
ところが、
経験や実績が少ない作業者の場合、
機能美と見た目の良さを勘違いしがちです。
その為、
安全性が低く、作業効率が悪い
整理整頓をしてしまう場合があります。
なぜなら、
見た目の良い整理整頓は、
簡単に出来てしまうからです。
ところが、
機能美を考えた整理整頓を行う為には、
安全性や作業効率を考える必要があります。
そこで問題になってくるのが、
整理整頓を行う
作業者のイメージ力・仮説力や経験です。
機能美を考えて、
整理整頓を行う為には、
倉庫作業の流れや作業内容を
把握する必要があります。
なぜ、
把握する必要があるかと言えば、
整理整頓とは、
倉庫作業のすべてに影響を与えるからです。
例えば、
ピッキンのし易さだけを考えて、
整理整頓を行ったら、どうなるでしょうか?
ピッキン作業はし易くなりますが、
収納スペースに無駄が生じてしまう
可能性が高くなってしまいます。
何故なら、
ピッキン作業を行う為には、
通路が広い方が作業はし易いので、
通路を広めに取る事で、
自然と収納スペースが圧迫されます。
逆に収納スペース重視で整理整頓を
行ったらどうなるでしょうか?
なるべく多くの荷物を
倉庫内に収めたいという事で、
通路スペースには余裕を無くし、
場合によっては、
人一人が通れるスペースしか空けない
場合もあるでしょう。
実際、
肩幅分しか通路スペースを空けず、
ピッキン作業者に
負担をかけている場合もありました。
この様に
片方を立てれば、片方が立たずという
状態になってしまいます。
なので、
機能美を求めた整理整頓を行う為には、
倉庫内の各作業のし易さを考慮に入れて、
微妙なバランスを保つ必要があります。
例えば、
ピッキン作業しか経験した事がなかったり、
格納作業しか経験した事がない作業者が、
整理整頓を行ったら、
確実に片方に偏ってしまいます。
何故なら、
他の作業の内容や流れを知らないので、
整理整頓する時に考慮しようがないからです。
実際、
格納しか行なっていない作業者が、
倉庫内の整理整頓を行うと、
空いている場所に荷物を格納していくという
素人レベルの整理整頓を行ったりします。
もちろん、
WMSシステムを導入していれば、
格納場所は登録をされますので、
格納場所は分かりますが、
ピッキン作業を行う場合、
時として、倉庫の右から左まで
移動する必要が出てきます。
その為にも、
倉庫作業のすべてを経験している人が、
整理整頓を行う事がベストなのです。
ただし、
経験していれば良いと言うものではありません。
各作業において、
守破離の「離」の領域に達していないと
状況、荷量に合わせて柔軟に対応出来ないので、
型にはまった整理整頓しか出来ず、
柔軟性に欠けてしまいます。
その為、
本来、倉庫内の整理整頓を行う
人材は限られますが、
一般家庭の整理整頓と同じという認識で、
誰にでも任せる傾向があるようです。