方向性を示し、ビジョンを示す重要性

中小倉庫改善研究会

先日、私が主催をする
中小倉庫改善研究会にて
第一回ズーム勉強会を行いました。

今回のテーマは、
中堅物流会社における経営戦略についてです。

このテーマについて、
某物流会社の経営企画室長の方にお話をしてもらいました。

お話をしてもらった時間は約45分。
事例を交えて無料ではお聞きできないような質の高いお話でした。

物流会社では、改善が進まない、生産性が上がらない、
作業効率が悪い、残業時間が減らないなどの
課題を抱えている管理職や物流センター長が多いと思います。

どこに問題があるのでしょうか?

その答えの1つが、今回のお話の中にありました。

その答えとは、
しっかりとした将来のビジョン、目的・目標を明確にして、
方向性を示すと言うことです。

また、目標を作る際には、数値目標を作ることも必要です。

こういったものを具体的に示していないことで、
現場の人間は、近視眼的に物事を捉えてしまい、
短絡的な行動を行ったり、仕事ではなく、作業として、
淡々と行動してしまうのです。

例えば、
改善が進んだらどうなるのか?
生産性が上がったらどうなるのか?
作業効率が上がったらどうなるのか?
残業が減ったらどうなるのか?
その先の状況や状態をしっかりとイメージさせることで、
現場の人間も1つのゴールを具体的に考えることができます。

もちろん、これが本来のゴールではありません。

状況や環境、顧客の求めるものは、常に変化をしています。

例えば、今回のお話の中では、電話を例にお話をしていました。

一昔前までは、電話と言えば家にある固定電話です。
または、外には公衆電話と言うものがありました。

それが、携帯電話が普及をし、固定電話には、需要がなくなってきました。
公衆電話も、極端に少なくなりました。

そして、携帯電話が進化をして、スマートフォンが普及すると、
電話=話をするツールと言う概念もなくなってきています。

さらに言えば、スマートフォンのアプリにより、
通話料の代わりに通信料という料金に変わりました。

このように、
時代とともに顧客の求めるものや使うツールが変化をしています。

そのため、物流会社=物を保管・管理をする、
配送するだけでは、生き残ってはいけません。

例えば、うちの会社は、物を保管し、管理をする会社です。
と言って、今の時代、どんな魅力があるでしょうか?

営業担当者も、これだけでは、顧客に対して、
何もアピールができず、仕事をとってくることができません。

最近は、お取り寄せグルメが多くなり、
冷凍品が増えたり、温度管理が必要な商品が増えてきました。

その為、温湿度管理がしっかりと行えて、
多品目多品種対応できる倉庫であれば、それが強みになります。

このように倉庫としての魅力、強み、
アピールポイントを作り出すためにも、改善改革を行い続ける必要があります。

そのためには、3年後、5年後、
どんな倉庫にするかというビジョンを具体的にする必要があります。

そうする事で、中長期計画を立てる事ができます。

では、管理職やセンター長が作ったビジョンで、
現場の人たちの心が動くでしょうか?

そのことに関しても、今回のお話の中にありました。

今回、お話をしてくださった方は、
現場から数人のメンバーを選抜をし、
その人たちに将来のビジョンを作ってもらっているそうです。

なぜ、管理職やセンター長が作ったビジョンでは、ダメなのでしょうか?

一言で言えば、与えられたビジョンでは他人事と捉えてしまうのです。

その為、当事者意識が欠けて、
自分たちには関係がないと言う無意識が働いてしまい、
将来のビジョンへ興味・関心がなくなってしまうのです。

興味・関心がないことに対して、本気で取り組もうとするでしょうか?

まさにそこが問題だったんです。

生産性や作業効率アップ、残業時間の削減など、
会社から言われることであって、それらを行ったとしても、
現場の人たちにとっては、正直、関係がないことと捉えられていたのです。

残業時間の削減をした場合、給料が減って、
人によっては生活水準を下げる必要性が出てくるかもしれません。

そうなってしまっては、
残業時間の削減なんて、本気で取り組みたくないものです。

逆に言えば、残業時間の削減を行っても、
給料が下がらず、生産性や作業効率アップしたら給料が上がる、
そんな将来のビジョンがあったらどうでしょうか?

そういったビジョンを作れるのは、現場で働いている人たちだけなのです。

なぜなら、実際にビジョンを実現するのは、現場で働いている人たちだからです。

もちろん、管理職やセンター長も、
多少のアドバイスやサポートをする必要があるかもしれません。

それでも、自分事と捉えて、
自分たちの将来の仕事のビジョンを作れるのは
現場で働いている人たちなのです。

そのような将来のビジョンを作るための状況や環境、
きっかけを作るのが管理職やセンター長の役割の1つでもあると思います。

現場の作業者たちに任せていても、
一向に改善が進まない、作業効率や生産性が上がらないと愚痴る前に、
現場で働いている人たちと、
その現場の方向性や将来のビジョンを具体的に描きませんか?

そして、現場とのギャップを見える化をし、
優先順位をつけ、何を行うべきか、決めることで、
行動に動機付けができるようになります。

自分たちで決めた将来のビジョンを
実現するための行動に動機付けができると言う事は、
他人事ではなく、自分事と捉えることができます。

そうすることによって、倉庫作業は、単純作業ではなく、
自分たちの決めた将来のビジョンを実現するための仕事となるのです。

このことから、方向性を示し、将来のビジョンを示す事は、
職場に活気を与え、働く人に活力を与えます。

現場の作業者が改善や作業効率アップなど出来ないと嘆く前に、
職場としての方向性・将来のビジョンを現場の人間と一緒に描いていましょう!

それができるのは、管理職やセンター長である権限を持った人たちなのです。

お問い合わせは こちらをクリックしてください

物流倉庫現場作業者を自社の強みに変えるサポート/アクティーズ ジャパン

初めての方へ

現場力メソッド

サービス







    この内容でよろしいでしょうか? 

    このフォームはスパムを低減するために Akismet を使っています。 データの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

    コメントを残す