新人現場作業者のOJTは、機能していますか?
新人教育の際、OJTと言う言葉をよく聞きます。
では、皆さんの倉庫現場では、
OJTは機能しているのでしょうか?
私自身、いろいろな倉庫現場で働いてきましたけども、
OJTと言うものには、お目にかかったことがありません。
私の知る限り、倉庫現場では、OJTは機能していない。
または、初めから行う気がないと受け取ってしまいます。
ここで少し、OJTとは何かを考えてみましょう。
ネットで調べるとOJTとは、
オン・ザ・ジョブ・トレーニング(On-the-Job Training、OJT)、
現任訓練(げんにんくんれん)とは、
職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育。
企業内で行われるトレーニング手法、企業内教育手法の一種。
職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、
その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを
意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって
全体的な業務処理能力や力量を育成する活動。
とあります。
この説明を読むと、
一見、倉庫現場では、OJTが機能している様に見えてしまいます。
なぜなら、多くの倉庫現場では、
やりながら仕事を覚えるのが基本だからです。
ところが、大切な部分が欠けているのです。
欠けている部分というのは、
「仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを
意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって
全体的な業務処理能力や力量を育成する」の
「意図的・計画的・継続的に指導」なのです。
どうでしょうか?
皆さんの倉庫現場では、
意図的・計画的・継続的に指導していますか?
これを行う為には、新人の育成プランをしっかりと考え、
一人ひとりの指導目標を決める必要があります。
そうでなくては、
意図的・計画的・継続的に指導は出来ないはずです。
その為、新人教育が中途半端に終わってしまうのです。
なぜ、新人教育が中途半端で終わってしまうのでしょうか?
その要因の一つに指導者の質が関わってきます。
新人教育を中途半端に終わらせず、
OJTを機能させる為に欠かせないのが、
知識・経験・スキルを持ち、指導力のある指導者なのです。
きっと、そんな事は分かっていると言う
経営者や管理者の方は多いと思いますが、
あえて質問します。
あなたの倉庫現場の新人教育の指導者は、
指導者としての知識・経験・スキルを備えていますか?
中途半端な指導者のもとで学んだ新人は、
中途半端な知識・スキル・行動しか身に付かず、
新人の成長は一定レベルで止まってしまいます。
なぜ、
成長が一定レベルで止まってしまうかと言えば、
指導者を見ているからです。
現状に満足し、
学習意欲や向上心に欠けている指導者を見て、
自分もこのままで大丈夫、今のままでいいと考え、
成長が一定レベルで止まってしまうのです。
どんな仕事であれ、
これで大丈夫、これが1番と納得したら、
その先の成長はありません。
これは、毎日、同じような仕事をしている
物流現場や倉庫現場では、なおさらです。
なぜなら、同じような仕事をしていれば、
仕事は終わっていくので、
無意識に現状に満足してしまい、
学習意欲や向上心が低下していきます。
それが新人作業者に伝播していくのです。
その結果、新人作業者の
自己成長への道筋を閉ざしてしまうのです。
それは、言い換えると
新人作業者を一人前に育てるという
OJTが機能していない事になるのです。