パレット標準化は時期尚早
以前から、言われていたパレット積み対策としてのパレットの標準化。
現場を経験したきた人間としては、時期尚早ではないかと思う。
その大きな理由として3つ。
1:倉庫内の準備が出来ていない倉庫が多い事
2:荷主や現場の作業者の意識改革が出来ていない事
3:パレットの回収に関する仕組み作りが大手以外には出来ていない事
今の状況で「イチイチパレット」を標準化をしたところで、
中小の倉庫内では、様々なサイズのパレットが使われ、
そのサイズに合ったレイアウトや格納をされているので、
いきなり、パレットサイズを統一すると言われても、
そう簡単には変更は出来ない。
そして、パレットは会社の資産と言う意識が
現場作業者には浸透をしていないので、
他社のパレットであっても、
出荷の際に荷物と一緒に積み込み、そのままにしてしまう。
愛知県であれば、DENSOと書かれたパレットが、
なぜ、こんな所にあるの?と思う場所にあったりします。
余談ですが、DENSO関係の荷物を扱っていた
倉庫で働いていた事があるので分かるのですが、
DENSOのパレットって使い勝手が良いんですよね。
ただ、DENSOパレットは、「イチイチパレット」ではないのです。
また、着荷主側でフォークリフトが無ければ、
バラ下ろしをする事になるので、バラ積みをする事になりますし、
パレット積みでは積みきれない荷姿の荷物を積む場合も、
結果的には、バラ積みをする事になります。
なので、パレットで積む事を荷主が意識して、
現場から意見を聞く必要があります。
パレット回収の仕組みは、
同じトラックが定期的に回っているのであれば、
簡単に出来ると思いますが、
単発のトラックに配送を依頼する場合は、
パレットの回収手段が確立されていないのが現状。
と言うよりも、
パレットを回収すると言う意識が無いと言ってもいいと思うのです。
だから、バラ積みをしていると言ってもいいのですが。
着荷主側も、
回収されるパレットの保管場所の確保も課題となるのです。
現状、大手企業や大型倉庫でない限り、
パレットの標準化は、難しいのが現実ではないかと思うのです。
なにより、パレットによる積み下ろしにより時間短縮、
作業効率アップをするのが目的なのでしょうが、
その大前提として荷主側で直ぐに荷物を下ろせる状況が
作られている事が必要だと思うのです。
パレット積みをして、パレットで下ろせますと言っても、
人手不足で倉庫作業者が対応しきれなければ、
まったくもって無意味になってしまいます。
トラック輸配送に関して言えば、
トラックへの積み下ろしの部分だけを考えても、まったく無意味。
もっと視野を広げて、
倉庫内の状況まで考えて、全体の作業を線で見ないと何も変わらない。
倉庫の現場において、倉庫内の作業から積み込み、
荷下ろしという一連の作業を1人で行った
経験のある作業者なら分かると思うのですけどね。
参考記事:推奨パレットでトラックドライバーの負担を軽減!! 国交省が前倒しで提示した標準化案とは?