荷主が委託先へ求めるべきは「付加価値」

2024年物流問題は、トラック輸送に焦点が当たり、その問題が解決すれば、問題は解決する雰囲気を醸し出している気がします。

本当は、物流業務の無駄を省き、効率化をして、コスト削減をする事で、企業全体の利益を向上させ、経済の活性化をするべきではないかと思うのです。

そう考えた場合、物流業務を委託している荷主は、委託先が提供する付加価値を考えて、契約をしているのでしょうか?

もし、本当に物流の効率化・コスト削減を考えるのであれば、委託先がどのような付加価値を提供しているか考えるべきでしょう。

その際、委託料が安い、無茶ぶりを聞いてくれるというのは論外です。

物流倉庫業務を請負っている請負先が荷主に対して、付加価値を提供するには、高い質の現場作業者が必要です。

人によっては、最新の設備・システムというかもしれません。

ただ、それらは1〜2年後には、陳腐化して付加価値が無くなります。

陳腐かしらからといって、そう簡単に変更できないのが設備やシステムです。

ソフトウェアであれば、システムのバージョンアップだけで済む場合もありますが、設備の場合、一度、設置したらそう簡単に変更は出来ません。

さらにいえば、数百万、数千万の設備投資になるので、それらの減価償却が終わらないうちは、新しい設備を導入などできるはずもありません。

物流現場において、最新の設備・システムの導入は、必要かもしれませんが絶対ではありません。

そして、誰にでも簡単に使える設備・システムは理想ですが、それではシステムに使われえる作業者になってしまう。

そのために作業者には、高いスキル、豊富な知識を身に付けさせ、作業の柔軟性を高めるための豊富な経験をさせ、仕事に対するやりがいを持たせる必要があります。

にもかかわらず、物流作業は単純作業、ルーティーン作業、誰にでもできる作業と言われ続け、業務の地位を低く見られてきたので、作業者に対して、仕事を覚えさせる指導・教育は行っても、人財育成は行わられてきませんでした。

残念ならが、そのことを荷主は知りません。

なので、荷主は、付加価値を求めないのかもしれませんが、それでは、委託先を甘やかせることになります。

そういう甘い対応が、物流業務に無駄を生み出し、効率化をさせず、コスト削減が出来ないのです。

言い換えれば、荷主自身が、コスト削減を求めていなら、委託先を甘やかして、何もさせていないのです。

いろいろな業界では、付加価値の重要性が言われていながら、物流の現場において付加価値という言葉は、あまり聞かれません。

なぜなら、付加価値を求めていないというよりも、物流の現場作業には、付加価値を加える事はできないと思い込んできたのです。

その思い込みが物流業界・物流会社から、現場作業者の人材育成の必要性を奪ってきたのです。

では、これから、高齢化が進み、労働人口が減少していきます。

物流現場は、自動化が進むでしょうが、残念ながら、まだまだ、自動化できない荷物などは、たくさんあります。

そういった荷物をいかに効率的に扱うか、それは、AIでも分からない事でしょう。

なぜなら、データー自体が少なすぎるのと、効率的に扱うためには、現場での膨大な経験だからです。

そういった状況下のなか、荷主は、物流の効率化、コスト削減を考えた場合、何を考える必要があるか?

答えは、簡単でしょう。

通常の業務を行えるのは当然として、それに加えて、どのような付加価値を与えてくれるか、そこを考えるべきなのです。

にもかかわらず、多くの場合、契約料が安い、無茶をきいてくれる、大手だから信用があるなど、表面的なことを重要視しているのです。

これは、運送業界も同じでしょう。

運送会社は、荷物を安全に、破損なく、時間通りに運ぶのが仕事。

では、荷主に、どのような付加価値を提供するのだろうか?

また、付加価値を提供する為には、何が必要なのか?

その答えが出ない限り、標準的な運賃により、ある程度の安定経営は手に入れても、その先の成長は望めない気がするんです。

今、言われている輸送問題の本質的な問題は、ある程度の安定経営ができたあと、従業員の給料を年々昇給させるために必要な経営の中長期計画の確立ができるか、どうかではないかと思うんです。

そうでなくては、トラックドライバーの確保、維持は難しいのではないかと思うのです。

これからの時代、他の業界と同じように物流の現場にも付加価値を求めるべきなのです。


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