魔法のツール「物流標準時間」

先日参加した国際物流総合研究所主催 Webセミナー
「たった2時間で理解できる魔法のツール「物流標準時間」の基礎」

セミナーに参加して、
気づいたこと、考えたことなどを書いてみました。

物流倉庫の現場は、時間を気にする現場と気にしない現場があります。

時間を気にする現場は、定期便トラックが出入りしている場合が多いです。

なぜなら、定期便トラックだと学校の時間割の様に仕事の流れが決まっているので
嫌でも時間を気にする必要があります。

そうしないと仕事が滞り、
トラックの荷待ち時間が生まれてしまいます。

ところが、定期トラック等がない現場では、ある程度時間の融通がきくため、
時間管理でものに対してルーズになってしまいます。

これがトラックの荷待ちの原因にもなります。

また、
倉庫の現場は、出荷量が刻々と変わっていったり、
イレギュラーなことが起きたりするので、
工場の生産ラインの様に生産計画を立てることが出来はい場合が多々あります。

そのため、時間と言う概念があるようで無いのです。

今回のセミナーでは、
作業に必要な標準時間を明確に定義し、
一つひとつの作業に必要な時間を明確化するものでした。

その結果、標準的な作業時間の基準を作ることができるのです。

標準的な作業時間の基準を作ることができるという事は、
作業効率が高いか低いかと言う判断が出来る様になります。

これは言い換えると、
目標とする作業時間が明確になるという事です。

目標とする作業時間が明確にできるという事は、
どういうことでしょうか?

例えば、
旅行の目的地を北海道の札幌と決めたとします。

北海道の札幌へ旅行へ行く為の交通手段を決め、
宿泊先を決め、旅行先で見て回る観光地を決めることで、
旅行の行動計画が具体的になります。

そして、無駄なく旅行を楽しむことができます。

ところが、
ただ単に旅行をしたいと漠然と考えていた場合は、
どうでしょうか?

行き先が決まっていないので、交通手段や宿泊先、
見て回る観光地が決まらないので、
具体的な行動計画を立てることができません。

その結果、行動する事が出来ず、旅行に行く事が出来ません。

これと同じように、
「作業の標準時間を明確に定義している場合」と「定義してない場合」では、
「目的地が決まっている場合」のと「決まっていない場合」のと同じ状態なのです。

倉庫作業を例にあげれば、
ピッキング作業の総時間を1人10分削減したいとします。

そうした場合、作業工程を見える化し、
それぞれの作業工程に現在かかっている時間を測定します。

そして、それぞれの作業工程の内、
どの作業が時間を短縮しやすいか、
または、無駄な時間が多いかを表面化します。

無駄な時間が多ければ、
その無駄をどうすればなくす事が出来るかを考えます。

また、作業時間を短縮するのであれば、
どのように短縮をするかを考えます。

こうすることによって、
目標値と行動計画を作ることができます。

そして、目標値と行動計画を作ったら、
目標値達成の期日を決める必要があります。

期日を決めないと言う事は、
ダラダラと先延ばしにしてしまう可能性があり、
具体的な行動計画を作ることができません。

例えば、
5キロ痩せるためのダイエットをしようと決めたとします。

ところが、いつまでに痩せるかを決めなかったら、
毎日の運動量や食事量といった具体的なダイエットメニューを考えることができません。

ところが、期日を決めることによって、
達成する為の期日から逆算をして、
毎日の運動量や食事量を決めることができます。

これと同じように、
標準時間の目標値を達成するための期日を
明確にする必要があります。

標準時間を決める際に、
とても重要なポイントがあります。

それは、
倉庫内が整理整頓されている事が
大前提です。

例えば、
倉庫内が整理整頓を行われず作業時間を計測したとします。

そして、倉庫内を整理整頓したことによって、
作業時間が短縮されたからと言って、喜ぶ事が出来るでしょうか?

大手の倉庫では、
整理整頓をされている事は当たり前のことです。

なので、整理整頓を行ったことによって、
作業時間が短縮されたとしても、
それはまったく意味がありません。

言い換えると
5Sの整理整頓、清掃清潔ができていなくては、
本当の意味での作業時間の短縮にはつながらないのです。

私自身、長年、倉庫の現場で働いてきましたが、
どこの職場でも時間を気にしているようで気にしていませんでした。

今まで、倉庫の仕事で時間を気にした作業と言えば、
大手企業の荷物を積んでいく貸切トラックの作業でした。

出発時間と到着時間が明確に決められていたので、
ドライバーも時間に関してはかなり気にしていました。

もちろん、路線業者においても、
ある程度の時間は決められていました。

なぜなら、路線業者は荷物を積み込んで、
営業所に着いてから、仕分けや荷下ろしを行う必要があるからです。

なので、荷物が集まってくる夕方はまさに戦争でした。

そういった状況に置かれていると、
どうしても時間を気にするようになります。

運送会社の倉庫で働いた時は、
時間を気にする事はなかったのですが、
製造メーカーの倉庫で働いた時は違っていました。

今回のセミナーに参加して思い出したことが一つあります。

それは、某大手企業の建築材料・住宅設備機器メーカーで働いていた時の事です。

その時に聞いたのは、フォークリフトの爪(フォーク)の出し入れさえ、
無駄な時間だから通路の幅は、
出し入れをしないでラックからパレットを抜ける幅にしているとの事。

その時は、
そんな事まで気にしなくても良いのではと思ったのですが、
今回のセミナーに参加して、
作業効率を上げるとはここまで徹底する必要があるんだなと実感させられました。

今回のセミナー講師でもある仙石氏の話によると、
製造メーカーは、もともと時間管理はしっかりしているので、
標準時間は当たり前に行われているとの事。

それを聞いて納得しました。

確かに、
運送会社系の倉庫では、時間管理や時間はあまり気にしない傾向ですが、
製造メーカーの倉庫は、時間管理は、しっかりと行わていました。

この話を聞いて、標準時間の重要性と活用方法が分かっても、
私の感覚では、倉庫現場では、
9割は右から左へ聞き流してしまうのではないかと思います。

なぜなら、
最初はいろいろと準備を行う必要があるので、
手間と時間がかかってしまい、
毎日の仕事に追われて後回しになり、
結局、何もやらずじまいになってしまう可能性が高いからです。

だからといって、何も対策を行わないと、
真面目に改革・改善に取り組んでいる企業との差が開くばかりになってしまします。

本気で、会社を変えたい、
成長させたいという経営者・管理者・監督者でなくては、何も変える事は出来ないのです。

特にこれからの時代、
しっかりとした人材教育と適切な設備投資だけなく、
経営者・管理者・監督者として「どう在るべきか、何を成すべきか」
が問われてるのだと思います。

そして、従業員は、その行動・発言を見て、
自分たちは、どうするべきかを考える必要があるのだと思います。

そうでなくては、停滞・衰退の一途をたどってしまうのだと思います。

本気で標準時間の活用をしたいと思った方は、
11月27日にもセミナーが開催されますので参加してみてはどうでしょうか?

詳細とお申し込みはこちら↓
「たった2時間で理解できる魔法のツール
「物流標準時間」の基礎 
~カンコツ管理から脱却せよ!~」


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