飴とムチ
人に何か、やらせる時に「飴とムチ」を上手く使う事がある。
それを上手く使ったのがホンダではないかと思う。
「飴=F-1」であり、「ムチ=業績アップの為の努力」である。
F-1に参戦する為には、毎年億単位の資金がいる。
その為には、どうするべきか?
それが、業績アップをして利益を上げる事になる。
そして、ここでも役割分担をしっかりしている。
夢の部分を宗一郎氏が担当し、ムチの部分を藤沢氏が担当。
夢である部分は、宗一郎氏に任せておけば、社員を力強く引っ張っていくだけのカリスマ性を持っているので、
藤沢氏は、販売店の拡大、海外進出の戦略、労使交渉などある意味、汚れ役を担ってきた。
もし、労使交渉を宗一郎氏に担当してもらっても、まず、上手くいかないだろう。
そして、藤沢氏の労使交渉も、宗一郎氏があってこそ成りたつ。
藤沢氏は、宗一郎氏が欠点が多い事は判っていながら、それ以上に人を引き付ける魅力を持っている事を判っている。
だからこそ、「飴とムチ」が上手く機能するのではないかと思う。
これを個人にあてはめると、夢を手に入れる為には、かなりの努力が求められる事が判る。
これとは、逆に位置するのがトヨタではないかと思う。
トヨタは、一人の才能・カリスマ性に頼るのではなく、底面からの改善を繰り返し、底上げをして、成長してきたのではないかと思う。
たぶん、普通の企業は、こちら側に位置するのではないかと思う。
そして、藤沢氏も、その事が判っているからこそ、自分や宗一郎氏を入れない組織作りをしたのではないだろうか。
企業としては、どちらが魅力的だろうか?
価値観や考え方は、人それぞれだから、何とも言えないが、企業の夢と同じ夢を持っているのであれば、問題なくホンダだろう。
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