2024年物流問題は、会社組織を変える大きなキッカケ
2024年、4月から適応されるトラックドライバーに対する労働時間規制。
これにより、運送能力が3割減るという事で、2023年は、様々なメディアや記事が飛び交っていました。
ただ、メディアのほとんどは、物流=宅配便という勘違いをした報道が多く、物流に関して、何も知らないという事を物流関係者に露呈させてしまったと思うのです。
次にトラックの荷待ち問題にフォーカスする事が多く、荷主・倉庫側の対応の悪さを指摘するという内容が多かったと思います。
それらの事から、政府の対策も、宅配便・荷待ち問題解決に特化した内容が多く打ち出され、物流関係者は、そこじゃない、そんな事じゃないと落胆もしました。
物流は、荷主、倉庫、運送、消費者と様々な立場の人たちがいます。
力関係でいえば、消費者>荷主>倉庫>運送といった感じでしょうか。
この力関係を加味して、荷主・運送の部分を中心に対策を打ち出した感じがします。
では、本当に問題は、そこなのでしょうか?
運送に関して言えば、中小の運送会社が6万社以上あり、多重下請け構造により、元請けから三次、四次の下請けが存在したりします。
その結果、末端の運送会社は、経営が苦しく、自転車操業並みの経営になっているのが実情。
そのことは、多くの物流関係者は周知の事実。
そこに労働時間規制の導入です。
荷物を運べる時間が制限され、距離を稼げないドライバーたちは収入減。
もちろん、会社も法令を守っている限りは減益。
その先には、倒産・自主廃業という選択が。
荷主に対しては、適正運賃の支払いや荷待ち時間の解消、手積み、手降ろしの削減の為にパレットの使用を推奨。
ただ、荷主が適正運賃を支払ったところで、多重下請け構造が存在している限り、末端の運送会社には、正規の運賃は支払われる事はありません。
そして、手積み、手降ろしをパレットに変更する事に関しては、倉庫によっては対応が難しい現実があります。
パレットは、共通パレットの使用が少しづつ浸透はしてきていますが、まだまだ、荷主の都合がよいパレットサイズを使用している事が多々あり、浸透していない場合もあります。
ここまでは、物流の入り口と出口の対策。
一番肝心な中心部分の倉庫に関する対策が、ポッカリ抜けているのです。
倉庫は、AGVや自動倉庫により、自動化、省人化が進んで、問題ないのでは?と思っている人もいるとは思いますが、現実は違います。
まだまだ、紙の伝票、送り状、FAXの使用が主流。
他の業界から見えれば、そんな非効率な事をまだやっているのかと言われてしまう現実があります。
物流危機が言われだしてから、その解決策として、物流DXやフィジカルインターネットなどが取り沙汰されていますが、デジタル化が出来ていない現場にとっては、夢のまた夢の存在。
多くの物流会社が、デジタル化や物流DXを導入するきっかけは、荷主からの要望であったり、協力によるもの。
大手の物流会社は、大手の荷主の倉庫業務を請け負っている関係上、デジタル化やDXは身近な存在。
では、中小の荷主を持つ物流会社や運送会社は、どうでしょうか?
デジタル化やDXなんて、言葉では知っているけど、会社に導入するなんて考えもしていない事でしょう。
それは、裏を返せば、時代の流れから外れた世界に身を置いてしまっているのです。
時代の流れから外れた世界に身を置くことで、企業内の人材も変わってしまいます。
これが意味する事とは?
会社の成長成長戦略に悪影響を与えてしまうのです。
世の中、さまざまなものがデジタル化され、ドンドン効率化されています。
もちろん、それは、どんなに小さな運送会社で働いている人も、私生活で実感はしているはずです。
ただ、会社では、そういったものは無関係と思い込んでしまっているのです。
無関係と思い込んでしまった段階で、会社の仕事の効率は、昭和時代のものになってしまっているのです。
その結果、会社は変わる事が出来ず、成長できず、停滞、衰退、倒産という道を辿ってしまうのです。
そういった最悪のシナリオを実現させないためには、何が必要なのか?
答えは、一つ。
時代に合った人材の採用しかないのです。
物流業界は、不人気業界としては有名です。
そんな状況において、時代に合った人材採用なんて無理という経営者の方は多いはずです。
だったら、諦めますか?と問いたいです。
経営者である以上、会社の経営、持続をさせ、多くの従業員の生活を守る事が責任。
その責任を放棄するのでしょうか?
もちろん、会社の規模を縮小して、自分が引退するまで、細々と続けるという手段もあります。
そう考えている経営者は別ですが、普通の経営者であれば、自分の会社に対する責任をまっとうすると思います。
時代に合った人材の採用は、時代遅れの会社を時代に合った、時代から求められる会社へ変革させるキッカケにもなると考えるべきです。
今までは、既存の従業員、とくに古参の従業員の抵抗により、それまで作業の手順や内容を変える事が出来なくても、会社の継続の為に変革をするともなれば、その抵抗も少しは減るはず。
もちろん、変革する事には、リスクは存在します。
だからと言って、手をこまねいていては、一歩も先へ進むことは出来ません。
時代に合った人材の採用は、会社組織に新しい風・価値観を吹き込んでくれる人材ともなります。
ただ、どんなに優秀な人材であっても、好意的な既存の従業員、活躍の場、権限を与えなくては、能力を発揮できずに去ってしまうか、古参従業員に教育・洗脳され、なにも考えず、行動をしない人罪に成り下がってしまいます。
どんなに優柔な人材を採用できたとしても、その人材を活かすことが出来るかは、どうかはその会社組織にかかっているとも言えるのです。
違う言い方をすれば、経営者の行動・指導に次第なのです。
2024年、物流業界の変化に対応するには、デジタル化・DX導入は、外せない重要な選択の一つでもあります。
そして、その選択は、会社組織を変革させるキッカケもあり、時代に合った人材を採用、活躍させるキッカケでもあるのです。
今の物流業界の従業員の平均年れは、他の業界よりも高くもあり、不人気業界。
とは言え、経済の血液と言われる物流、物流無くして成り立たない世の中です。
物流の見せ方次第で、若く優秀な人材を引き寄せる魅力があります。
その魅力の一つが、デジタル化・DXなのです。
そのメリットをどうアピールするか、経営者が試される2024年とも言えるでしょう。
2024年2月17日イベントを開催します。
「本当の物流DXで効果を上げる為に知っておくべき事 」
https://www.kokuchpro.com/event/Sumarozi/