本田宗一郎氏の語録。

本田宗一郎氏の語録。

 

「変わって当たり前じゃないの。変わらんかったらおかしいよ。

世の中は変わっているのだから、社風も変わったって良いはずなんです。

それを変わらずに、いつまでも寛永通宝を握りしめているような事をしていたら、つぶれちゃうよ。

老舗にはなりたくないよ」

(「日経ビジネス」86年2月24日春季増刊号)

 

”老舗にはなりたくない”、この言葉こそ、本田宗一郎氏のチャレンジ精神を現わしているのではないかと思う。

 

車の雑誌などを見ていると、最近のホンダ車は、ホンダらしくないとよく書いてあるが、本当にそうなのだろうか。

会社が大きくなって、守るモノが増え、社会的貢献を考えた場合、創業期のような博打的なチャレンジは出来ないのではないかと思う。

 

もし、今の本田技研工業の社長が宗一郎氏だったら、スパッと社長を辞めて、新しい会社を興すのではないかと思う。

そうでなくては、宗一郎氏の本当の強みは活きてこないのではないかとも思う。

もちろん、宗一郎氏は、経営に関しては誰かに任せたいだろうから、藤澤氏のようなパートナーを手に入れるのが最優先事項になるだろうが。

 

老舗にならない為の施策が、研究所の独立だったのではないかと思う。

もともと、研究所は宗一郎氏のような人材を育成するのが目的であり、そこから起業家が生まれて、新しい本田技研工業を作りだす事で、万物流転の掟から逃れる事が出来るのではないかと思う。

それをいつまでも、大企業になった本田技研工業に宗一郎氏のチャレンジ精神を求めるのは酷というものだと自分は思う。

 

”老舗にはなりたくない”と言う事は、見方を変えると、同じ場に留まりたくないと言う事にもなるのではないかと思う。

常に新しい事にチャレンジして、新しい道を模索し、新天地を求め続ける。

これをやるには、かなりの精神的なタフさが必要であるように思えるが、人によっては当たり前の事のようにこなしていくはず。

 

そこにこそ、起業家としての資質が試されるのではないかと思う。

 

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