四つの目標
藤澤氏は、四つの販売目標を作っていた。
一つ目は、自社製品の構成や販売力に経済環境を加味して達成可能な「成り行き目標」。
二つ目が、「成り行き目標」より低い水準の「愚かな目標」。
三つ目が、成り行き目標に最大限の努力を加えた数値である「本来立てるべき目標」。
四つ目が、「本来立てるべき目標」に確実に達成しようと歩留まりを考え、経営者が勝手に数値を上乗せしてしまう「馬鹿げた目標」。
楽をしようと思えば、二つ目を選べばいい。
そして、目標を確実に達成したいのであれば、一つ目を選べばいい。
だが、この二つを選んでは、成長は望めない。
馬鹿げた目標は、会社のトップが出した目標数値を達成する為に販売担当役員が安全を見て数値を上乗せ(α)し、さらに販売店に下ろす際に、さらに数値を上乗せ(β)をする事で、最初の目標数値+α+βで作り出されてしまう。
それぞれの立場から見れば、良かれと思っての配慮かもしれないが、それが、落とし穴になる。
四つ目の目標に関して、藤澤氏は、
「馬鹿げた目標の恐ろしさは、セールスマンがハードルが高すぎると思い始めた途端、一気に愚かな目標に転落してしまうことなんです。」
としみじみと語っている。
ハードルが高いと感じてしまうと、やる気を無くしてしまい、逃げとも言える簡単に達成出来る低い水準の「愚かな目標」へ転落してしまう。
内容は、販売目標だが、これを個人の目標設定に置き換えるとどうなるだろう。
「成り行き目標」は、普通にやっていれば達成できる目標。
「愚かな目標」は、手を抜いても達成できる目標。
「本来立てるべき目標」は、自己の成長を促進する目標。
「馬鹿げた目標」は、周りの期待や外的要因を加味し、無理した目標。
になるのではないかと思う。
こうして置き換えると「成り行き・愚かな目標」は、目標としての意義を持たないモノに感じられる。
そして、「馬鹿げた目標」は、無理をした結果、目標を達成する事は出来るかもしれないが、無理に無理を重ねた結果、後遺症や副作用が起こる可能性を秘めている。
人によって目標の立て方は様々だが、誰もが望むのは、やはり「本来立てるべき目標」ではないかと思う。
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