一般家庭と倉庫の整理整頓の違いとは?

一般家庭と倉庫の整理整頓の違いとは?

一般家庭と倉庫の整理整頓の違いとは、
点で整理整頓をするか、
線で整理整頓をするかなのです。

倉庫で一般家庭と同じ整理整頓をやったら
どうなるでしょうか?

答えを簡単に言ってしまえば、
余裕が無い倉庫のレイアウトになってしまい、
繁忙期などで物量が増えた時に
柔軟に対応が出来ないだけでなく、
作業効率が低下したり、事故率が高くなります。

一般家庭では、モノの増減は、
それほど頻繁に行われません。

ところが、
倉庫は、繁忙期というものがあり、
物量が急激に増える時期があります。

それ以外にも新製品が出たり、
改良品などがあった場合、
管理する商品数が増えたりします。

そう言った場合に対応する為にも、
ある程度、
スペースを余分に確保する必要があります。

ところが、
入荷作業、倉庫管理、出荷作業まで、
倉庫現場の一通りの作業を経験していないと、
まともな整理整頓が出来ないのです。

なぜなら、一つの視点でしか、
倉庫内の整理整頓を
考える事が出来ないからです。

もちろん、
一般家庭なら、大きな物の出し入れなんて、
夏と冬の年2回ぐらいではないでしょうか。

ところが、
倉庫現場の商品は常に動いています。

言い換えると、
倉庫内の状態は常に変化をしているのです。

その変化を感じ取るためにも、
入荷作業から出荷作業までの一連の動きを
線で見る必要があるのです。

一般家庭の整理整頓は、
あくまでも点でモノの動きを見て
整理整頓を行います。

それで十分なのです。
なぜなら、ある程度、時期が決まっていて、
定期的に年2回しか
大きくモノが動かないのですからです。

この違いを分かっていないと
倉庫現場の整理整頓は上手くいきません。

ところが、
入荷作業、在庫管理、出荷作業までの
倉庫作業を一通り経験している
作業者は限られてしまいます。

なぜなら、
大手の倉庫であればあるほど、
作業が分担され、
なかなか他の作業を経験できないからです。

経験と言っても、
半年や1年だけ経験しても意味がありません。

石の上にも3年という言葉あるように、
私の考えでは、
各作業を3年は経験する必要があります。

もちろん、何も考えずに
3年行っては意味がありません。

1年目は、
1年を通して作業の流れを見る。
繁忙期・閑散期など、
さまざまな状況による商品の動き、
先輩や出入りの業者動きを見る。

2年目は、
繁忙期・閑散期などの状況に応じて、
先輩や出入りの業者のサポートなどを行う。

3年目は、
繁忙期・閑散期などの状況に応じて、
自分なりの判断で行動をする。

このようにして、
3年のうちに
各作業の守破離を経験するのです。

このように3つの作業を経験し、
一人前になるには、
約10年は必要という計算になります。

ただ、
こんなにも時間が必要かといえば、
必ずしも、必要ではありません。

しっかりとした教育を行えば、
各作業を
約2年でこなす事も可能です。

それでも2年必要なのかと
感じる人もいる事でしょう。

倉庫作業は、
単純作業・ルーティーン作業と言う
認識・思い込みがあるので、
誰でも簡単に出来るものと思われがちです。

そこに大きな落とし穴があるのです。

なぜなら、
倉庫作業は、毎日行う作業は同じでも、
状況や荷量は変化をしています。

以前は、
働いていた倉庫は、風通しが良く、
台風や強い雨が降った時は、
荷下ろし場、積み込み場の2/3は
雨が振り込み使うことが出来ませんでした。

そんな状況が、
年に3~4回はあるのです。

そんな状況にも
臨機応変に対応する必要があります。

そういった状況を知らない人は、
倉庫の作業は、
誰にでもできる単純作業と
思い込んでしまうのです。

もちろん、
繁忙期などで荷量が増大した時には、
荷物を置く場所などを状況に応じて、
作らなくてはなりません。

置き場所を作ると言っても、
出荷品の検品、
集荷や積み込みがしやすいように
段取りをする必要があります。

これは、
文章化して教えることは出来ません。

なぜなら、一回として、
同じ状況が無いからです。

まさに一期一会なのです。

なので、
さまざまな状況を経験させるために
ある程度の時間が必要なのです。

そのため、人材育成には、
時間とお金と根気が必要なのです。

ところが、
倉庫現場の人材育成は、
まったく行われていないのが
現状なので、3年経っても
守破離の「離」の
領域に達する事は難しいのが
実情だと思います。

その為、
倉庫内の整理整頓は、
作業を点でしか見ることが出来ず、
一般家庭的な
整理整頓の仕方になっているのです。

もちろん、
3年で一つの作業に対して、
「離」の領域に達する事が出来るか
と言えば確約は出来ません。

何も考えず、
与えられた作業やルーチーン作業を
繰り返していては、
何も身に付かないからです。

仕事を覚え、自己成長をして、
次のステージへ行きたい
と言う気持ちが必要なのです。

一般家庭と倉庫の整理整頓の違いとは、
点で整理整頓をするか、
線で整理整頓をするかです。

線で整理整頓をする最大の利点は、
状況に応じて、
柔軟に対応する事が出来るのです。

何故なら、
各作業の状況を把握しながら、
状況に合わせて
整理整頓を行う事が出来るからです。

あなたの倉庫現場の作業者は、
線で整理整頓を行っていますか?


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