倉庫の雑用を行うロボットは必要?
はじめに
物流業界は、人手不足と2024年物流問題により、作業の効率化を求めて自動化が進んでいます。
その代表例が、AGV(自動誘導車)や自動倉庫です。
正直、代表例のような自動化は、腐るほど発表されています。
それ以外にも、WMSシステムを代表して、様々な作業の効率化を行うシステムも発表されています。
では、倉庫内の床の掃除やゴミの回収は、誰がやるのでしょうか?
それは、いまだに人間が行っています。
床の掃除やゴミの回収は、付加価値は何も生みだしません。
そう考えると、付加価値を生まない雑用的な作業の自動化を考える出来ではないでしょうか?
物流倉庫の清掃
物流倉庫では、毎日の清掃は欠かせないものです。
5Sにもあるように、清掃・清潔は、気持ちよく仕事を行う上でとても重要です。
ただ、清掃は作業者にとっては時間と労力の負担となります。
多くの場合、仕事終わりに行ったり、仕事始めに行います。
仕事終わりに行う清掃やゴミの回収ほど、疲れを増やす労働です。
はっきり言って、誰もやりたくはありません。
にもかかわらず、いまだに人によって行っています。
家庭には、お掃除ロボットが普及して、その便利さが分かっているはずなのに。
おかしくありませんか?
お掃除ロボット・ゴミ回収ロボットを導入すると
では、倉庫内にお掃除ロボットを導入したら、どうなるかイメージしてみましょう。
例えば、仕事が終わり、帰るときにお掃除ロボットを始動させておけば、それで、倉庫内の床はピカピカです。
もし、そのお掃除ロボットにワックスをかける機能も付いていれば、さらに光沢が出てピッカピカです。
さらに、そのワックスに床を保護して、フォークリフトのタイヤ痕を残さないように出来れば、さらに見た目はアップします。
どうでしょう?
これだけでも、清潔感がアップして、現場で働く人は気持ちよく働けますし、来客があっても慌てずにすみます。
よくあるのが、来客があるから、その前日に清掃をするパターンです。
これは、倉庫現場で働いたことがある人は、分かるはずです。
また、ごみの回収ロボットというのは、あまり聞かないので、この場合は、AGVにゴミ箱を載せて、ごみを回収するときに、ごみ箱が載っているAGVを一か所に集めるのです。
そして、ごみを回収したら、また、AGVを使って、元の場所へ移動させるのです。
これだけの為にAGVを使うのかという人もいるかもしれませんが、倉庫の面積が広くなればなるほど、ゴミを集めるために歩き回るのは、時間と労力を使います。
もちろん、人がたくさんいて、一人で一か所、二か所、回れば良いというのであれば別ですが、一人で十か所も回っていると、それだけで時間がかかって疲れます。
何より、その行動には何も価値が無いのです。
さらに言えば、ごみ回収が残業時間にカウントされた場合、それだけで、人件費と残業時間が増えていきます。
お掃除ロボット・ゴミ回収ロボットの導入の意味
物流倉庫の自動化は、コスト削減と効率化から考えても大きなメリットがあります。
では、お清掃ロボットやゴミ回収ロボットの導入に大きな利益のメリットがあるかといえば、正直な話、疑問符が付くと言わざる負えません。
ただ、一つ言えることは、今の時代、付加価値を生み出さない雑用的な作業は、可能な限り自動化して、人の手を煩わさせない方向性に持っていく必要があるのです。
雑用的な作業こそ、自動化を進めて、少しの時間でも付加価値を高めるためにどうするか、考え、行動する時間を作る事が重要な時代になってきているのです。
AGVのガラパゴス化・機能合戦
現在のAGVの進化は、新しい機能の追加が続き、機能合戦へ向かっていると感じます。
これは、家電と同じ失敗に向かっているのではないかと考えます。
多機能化はAGVの能力を高める一方で、コスト増加の原因にもなっています。
これは、テレビが良い例ではないかと。
テレビもプラズマから液晶へ変わり、有機ELが手軽な価格になるまで、液晶テレビはある意味、機能合戦になっていたと思うのです。
その結果、価格が無駄に高くなっていき、機能により差別化が出来なくなると、新型のテレビであっても、さほど進歩が無い状態になり、価格だけが若干高くなっているだけになったと思います。
今のAGVは、まさに様々な機能を追加して、追加して、いろいろなシステムと連携させて付加価値を付けて、新鮮さを保ってるに過ぎないのではないかと感じます。
もう少ししたら、追加機能の限界に達して、低価格化競争に入っていくのではないかと考えます。
では、低価格になったらからと言って、導入する倉庫が増えるかといえば疑問です。
シンプルイズベストという言葉があるように、機能は必要最低限のものさえあれば、十分なのです。
色々な機能があっても、使わないのですから。
これもテレビが良い例です。
ハイスペックなテレビほど、画像・音声調整が細かく調整できます。
では、細かく調整する人が、どれだけいるかといえば、ほんの数パーセントではないかと思うです。
今のテレビは、放送される番組内容ごとに最適な画像・音声にAIが調整してくれます。
なので、あえて自分で調整する人なんていないのです。
そのため、機能を簡略化し、必要な機能をオプション設定とすることで、利用者が求める内容で、相手に合った価格設定が可能になるのではないかと考えます。
なので、今後は、シンプルな基本機能で、後からカスタマイズ可能なオプションを提供することで、コストパフォーマンスを最適化することが出来るのではないかと考えます。