倉庫現場における正社員の仕事とは何か? (後編)
大手企業の倉庫では、
作業者の人数が確保され、役割分担がされることで、
一般の正社員の作業者であっても、
パートやアルバイトと同じ仕事を行っている場合もあります。
それは、
作業者の人数が確保されているから出来る事であり、中小企業はそこまで余裕がありません。
私は、いろんなところで働いてきましたが、
作業者が3〜4人と言う職場では、1人で何でも行うことが普通でした。
そのため、1日の仕事を点ではなく、線で考え、
常に次のことを考えながら作業を行なってきました。
ところが、大きな倉庫で働くと、作業者は、10人以上いるのが普通でした。
なので、自分の担当の仕事さえ行えば良いという状況でした。
例えば、
ピッキング作業に関わる作業者は8人、
商品の棚入れ作業に関わる作業者が5人と言う職場もありました。
このように作業者の人数が多いと、
淡々と自分の担当の仕事だけを行うことが普通になり、
他の人の仕事を手伝おうと言う意識が薄らいでいきます。
その結果どうなるかと言うと、
自分の仕事だけ終わらせれば良いと言う意識が生まれてしまいます。
「自分の仕事が終わったからやることがない」と言って、
パートさんと喋っている作業者の横で
必死に仕事を行っている人もいたりします。
ただし、喋っている作業者はまったく罪の意識はありません。
なぜなら、
自分の仕事は終わっているので、喋っていても問題ないと意識があります。
言い換えると、他の人の仕事には、無関心であり、興味関心がないのです。
これでは、作業効率アップのための
改善対策や事故防止のための対策を考えることができません!
作業効率アップや安全対策を考えるためには、
1日の仕事を点ではなく、1本の線として考える必要があるからです。
例えば、
商品の棚入れ作業で、置き場所がないからと言い、
商品を高く高く積み上げたらどうなるでしょうか?
棚入れ作業している作業者としては、
商品を指定の場所に入れることができたと安心します。
ところが、
ピッキング作業をする作業者からすれば、
こんなに高く積み上がって、
ピッキングがしづらいじゃないかと言う不満や不平が出てきます。
商品の棚入れ作業をしている作業者からしてみれば、
自分の仕事を行う為には、高く高く高く積み上げるしかなかったと言うでしょう。
そんな言い訳が通じるのは、パートやアルバイトだけです。
置き場所が無いならどうするかを考えるのが正社員の仕事であり、
正社員としての存在価値なのです。
ところが、自分の仕事が終われば、
仕事が終わりと考えている正社員がなんと多いことか。
正社員は、
自分の担当している仕事の改善策を考える必要があり、
経営者は、正社員それを求める必要があります。
何の為に、仕事を行なっているのか?
正社員は、その意味と理由を自覚する必要があります。
これからの時代、少数でいかに多くの仕事を行うか求められます。
その中心になるのが正社員であり、それだけの責任と役割りが重くのしかかっているのです。
もし、責任や役割りを担いたくないという正社員がいれば、辞めてもらうしかありません。
責任や役割りを認識させ、自覚させて、どのように仕事に取り組ませるか?
経営者や管理職も試されているのです。