倉庫現場だけが知っている経営圧迫の原因 前編
倉庫現場が知っている現実。それは、会社の経営状況。
えっ!倉庫現場で、会社の経営状況が分かるの?
と疑問に思う方は多いと思います。
在庫を持つビジネスモデルであれば、倉庫現場でも会社の経営状況は分かります。
いや、会社の資産である商品を保管管理している倉庫だからこそ分かるのです!
その理由は、どれほど商品が有るかを目の当たりにしているからです。
商品を生産して売らなくては、会社の利益には繋がりません。
ただし、売れたとしても、商品を納品しなくては意味がありません。
実は、売れたからと言って、お客様へ納品するとは限りません。
売り上げを上げるために、お客様に無理を言って、
注文だけしてもらい、形上は売り上げを上げる事もあるのです。
その際は、商品は納品されず、倉庫で預かり品として保管管理する形になります。
そうなると、どうなるか分かりますか?
商品は売れたにも関わらず、商品は倉庫に残ったままです。
倉庫内の一画が使えないのです。
本来であれば、工場から新しく作られてきた商品を
無理なく保管できるはずなのに場所が使えないのです。
場合によっては、作業効率の低下に繋がります。
もちろん、無理を言って注文を入れてもらったので、
保管料は、お客様は払ってくれません。
自社倉庫で保管しているのであれば保管料は必要ありませんが、
仮に貸し倉庫で保管をしていた場合は、保管管理料が必要になってきます。
保管管理料が必要だとしてもお客様からは貰うことは出来ません。
なぜなら、無理言って注文をしてもらっているからです。
結局、売り上げが上がっているにも関わらず、
保管料が発生する事で利益が相殺されてしまいます。
しかも、商品を納品するまで、保管料は発生し続けます。
消費期限がない商品であっても、
保管期間が長くなればなるほど、商品にほこりがかかったり、
外装箱の劣化(箱のつぶれ、傷み、テープの粘着の劣化)などが起こり、
すぐに出荷ができない状態になったりします。
また、預かり品と言う形で、
倉庫内に保管をされていますので、在庫上はゼロなのです。
そのため、在庫管理をしている数字上では、
倉庫内に余裕があると思われて、次々と商品が生産をされてきます。
その結果、倉庫内にはものが溢れ、置き場所がなくなり、
最終的には、貸し倉庫に商品を保管することになります。
そうすると、
自社倉庫で保管するよりも、保管料は高くなっていきます。
なぜなら、
ただ単に保管をしてもらうだけではなく、
在庫管理や入出庫の作業も依頼することになるからです。
経営者は、常に倉庫内を見ているわけではありません。
なので、
預かり品の商品の数が増えていき、倉庫内の場所を占領して、
利益を生まない状況になっていたとしても気づくことができません。
そんな事はないだろうと思う経営者はいると思います。
ところが、現実にあるのです。
営業ノルマが厳しく、売り上げだけでもあげたいと言う一心で
お客様に無理をお願いするのです。
後編では、以前働いていた倉庫で起きていた現実をお伝えします。