あなたの倉庫作業者は、アリタイプ? キリギリスタイプ?
倉庫作業者には、
2つのタイプの作業者がいるのをご存じですか?
それは、
アリタイプの作業者とキリギリスタイプの作業者です。
これは、
イソップ物語の「アリとキリギリス」からヒントを得ました。
イソップ物語「アリとキリギリス」の話の簡単な内容は、
皆さんご存知かもしれませんが簡単にお伝えします。
アリは、
食べ物が少なくなる冬に向けて夏にはせっせと
保存食となる食べ物を貯めるために働いていました。
逆にキリギリスは、
冬に向けての準備はせず、
夏には、毎日楽しく遊んでいました。
そして冬が来ました。
アリは、
自分の住処で夏に貯めた食べ物によって、
食べ物に心配をする事なく、冬を過ごしていました。
ところが、キリギリスは、
食べるものがなく、
毎日、空腹で食べ物を探し回っていました。
そして、アリに助けを求めて、
どうにか食べ物を分けてもらい、
冬を過ごすことができました。
では、このお話を倉庫作業者にあてはめます。
アリタイプの作業者は、
閑散期には、
繁忙期に向けて様々な取り組みを行っていきます。
前回の繁忙期において、反省点などを踏まえて、
・倉庫内の整理整頓
・倉庫内のレイアウト変更
・倉庫作業における改善改革の実施
などを行ってきます。
これを行うことによって、
繁忙期では、仕事が滞ることもなく、
スムーズに行われていきます。
キリギリスタイプの作業者は、
閑散期は、繁忙期が忙しかった反動で、
毎日、おしゃべりをしながら楽しく仕事を行って、
定時で仕事を終わって行きます。
そして、繁忙期を迎えると、 仕事に追われ右往左往。
そして残業時間が増えていきます。
また、倉庫内は商品が溢れ、
商品を移動させないとピッキングができない状況になり、
行動に無駄が生まれ、さらに残業が増えていきます。
また、仕事が忙しいこともあり、
正式な作業手順を行わないことにより、
誤出荷などを起こす可能性が高まります。
そして、パートやアルバイトにも無理をお願いして、
どうにか仕事を行なっていきます。
あなたが働くとしたら、
どちらの倉庫がいいですか?
忙しい繁忙期に備えて、
閑散期に少しでも仕事を
スムーズに行うために下準備を行う倉庫か、
忙しい繁忙期はあるが、
閑散期には、
おしゃべりをしながら楽しく仕事を行う倉庫か。
答えは、
働く立場によって変わってくると思います。
パートやアルバイトであれば、残業さえ断れば、
決まった時間で帰れるので、
どちらの倉庫でも問題ないと思います。
ただ、後者の倉庫の場合、
閑散期は、行う仕事が無いという理由で、
早上がりをさせられ、
収入が減ってしまう可能性があります。
前者の倉庫であれば、
閑散期であっても、
倉庫内で行う仕事を減ることはありません。
正社員の作業者の答えは、
「アリタイプ」と「キリギリスタイプ」で分かれると思います。
アリタイプの作業者であれば、
後者の倉庫で働くことは苦痛でしかありません。
なぜなら、二歩、三歩先を予想し、
行動することが習慣化されてしまっているので、
閑散期であろうとも、
やるべき仕事には事欠かないからです。
それを「仕事が少ない」という理由で、
おしゃべりをして仕事を行う事は考えられないからです。
逆にキリギリスタイプの作業者は、
仕事が少ないのだから、おしゃべりをして、
楽しみながら仕事を
やってもいいだろうという気持ちでいっぱいです。
繁忙期になって、
仕事が忙しくなったら、
また、アルバイトやパートに
無理を言って手伝ってもらい仕事を
終わらせばいいやというぐらいの気持ちなのです。
では、
経営者や管理責任者は、どちらの倉庫でしょうか?
働き方改革により、
正社員の残業時間には規制がかかっています。
そのため、繁忙期であろうとも、
残業時間をなかなか延長する事は難しくもあります。
そう考えた場合、
アリタイプの作業者がいる倉庫が
理想ではないかと思います。
なぜなら、繁忙期であろうとも、
仕事がスムーズに進んで、
残業時間の伸びが少ないからです。
残念ながら、
経営者や管理責任者の思いを裏切るように
多くの倉庫の現場作業者は、
キリギリスタイプの作業者が多いのです。
その最大の理由は、
単純作業、誰にでも出来る仕事ということで、
人材育成をしっかりと行ってこなかったからです。