倉庫業務の自社運営のススメ

倉庫業務を請け負い会社に任せようと
考えている経営者の方ちょっと待ってください！

私は、倉庫業務を請け負っている会社で
長年働いてきたので内情は分かっています。

だからこそ、断言します。
安易に倉庫業務を請け負い業者に任せてはダメです。

一度、請負業者に仕事を任せてしまうと、
商品数が多ければ多いほど、容易に請け負い業者を変えることが出来ないからです。

そして、倉庫業務の改善を行うのも難しくなってしまいます。

なぜなら、請負会社に任せてしまうと、
仕事に対する細かな指示が出来なくなってしまうからです。

倉庫業務を請け負っている会社で、
働いている現場の人達の多くは、昔ながらの体力勝負で仕事を行っている人が大半です。

なので、改善や効率化ということを考えることが苦手です。

と言うよりも、
目の前の仕事さえ終わらせれば、
仕事は終わりという固定観念で働いています。

また、倉庫業務を請け負っている会社の多くは運送会社です。

運送会社の基本的な給料体系は、
日給月給で、働く日数や残業時間が減れば、
給料も大幅に減るという仕組みになっています。

なので、
改善や効率化などをして、仕事が早く終わっては困るのです。

ところが働き方改革により、
残業時間の削減が大きな課題になっています。

そうなると、
嫌でも残業時間を減らさなくてはなりません。

残業時間が減るとどうなるか?

答えは簡単です。
今まで以上に目の前の仕事を終わらせて、業務終了となります。

その結果、行うべき倉庫内の整理整頓が出来なくなります。

ただ、現場の人たちは、
毎日の通常業務が出来れば、倉庫内が整理整頓されていなくても気にしません。

ただし、
通常業務は出来ますが、問題が起こる可能性が高くなります。

例えば、
倉庫内の整理整頓が出来ない事による在庫違いや生産性の低下です。

倉庫内が整理整頓が出来なければ、
本来、商品を置かない場所にも商品を置く必要が出てきます。

その結果、
商品がないと探し回ったり、探しきれず、
仕方なく欠品扱いにした後に商品が見つかるなど、
様々な問題が起こります。

在庫は、会社の資産の１つです。

その事を考えれば、
整理整頓は、とても重要な業務の１つです。

ところが、
現場で働いている作業者は、
軽く考えている場合が多々あります。

その為、
「時間に余裕が出来たら」、「通常業務に支障が出てきたら」
やろうという考えで、
倉庫内の整理整頓の優先順位は、低く考えられています。

また、
残業時間を減らす為に仕事の効率化が行われ、
残業時間が減ってしまっては、給料に影響するので、
現場で働く人にとっては、改善・効率化は、問題がない部類に入ります。

仕事の効率化をあえてしない、
または、考えない、実例が１つあります。

以前働いていた職場では、
商品の入出庫をする為に1つの自動倉庫と
作業するスペースを２つの部署で共有していました。

この2つの部署を統合すれば、
人員削減や作業の効率化を行う事は容易でした。
その職場に派遣社員として働きだした私でさえ、
すぐにそのことに気づきました。

統合出来ない理由は、
さまざまあると思いますが、
正直、仕事を請け負っている会社の都合でしかないと私は考えます。

考えてみてください。

統合して、作業効率が上がり、人員を削減する事になったら、
契約料の引き下げも言われる可能性もあります。

自社倉庫内の仕事を任せている会社としては、
作業効率が上がり、生産性が上がる事はとても大切です。

生産性が上がれば、
その分、仕事が早く終わるので、
倉庫内で使っている電気使用料も削減できます。

残念ながら、
請け負っている会社は、そこまで考える意識は低いです。

なぜなら、
電気使用料を削減したからといって、
自分の会社の利益には、さほど影響がないからです。

ひと昔前に流行ったアウトソーシング。

今現在、経費削減という名目で、
社内業務をアウトソーシングした事で、会社全体の業務の見直しをして、
思い切った業務改善が出来ずに困っていると私は考えます。

その代表的な業務が、倉庫業務だと私は考えます。

だからこそ、
倉庫業務は、自社運営で行う事をお勧めするのです。

在庫を保有するビジネスモデルであればあるほど、
在庫は、目で見る事の出来る会社の業績のバロメーターだと私は考えます。

在庫が多くあっても、
それをお金に変えるためには、売らなくてはなりません。

売って、お金に変えてこそ、初めて会社の利益になるのです。

とは言え、
在庫は、会社の大切な資産です。

その管理運営を他社に任せる事ほど、
危険な事はないと私は考えます。