第34回セミナーコンテスト名古屋に参加した事による気づき「倉庫の整理整頓に対する捉え方の変化」
7月28日に
一般社団法人 日本パーソナルブランド協会が
主催するセミナーコンテストに参加をしました。
このセミナーコンテストは、自分の経験をノウハウに変え、
セミナー方式で10分間で発表をするものです。
私は、
20年以上のフォークリフトの倉庫業務の経験から、
倉庫業務の基本中の基本である
整理整頓をテーマに発表しました。
そして、10分間セミナーを作る過程である気づきを得る事が出来ました。
整理整頓とは、
5Sである「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」と言われています。
実は、
それだけではなかったのです!
整理整頓とは、
規則・安全ルール・マニュアルを守る為に
必要な状況・環境を整えるものだったのです。
もちろん、大手企業でも、
このような事は言っていません。
ただ、
いろんな職場で働いてきた私の目線では、
そう見えるのです。
少し考えてみてください。
どんなに丁寧に規則や安全ルール、マニュアルが作られていても、
そこには、
必ず、守る為の基準とした
倉庫内の状況や環境が存在しています。
そうでなくては、
作ることが出来ないからです。
家で例えるならば、基礎や土台になります。
基礎や土台が、
常に変化していては家は安定しません。
それと同じように、
商品の置き場所が常に変わっていたり、
あってはならない場所に商品が置かれていたら、
どうでしょうか?
最近では、言われなくなりましたが、
非常口や消火栓・消化器の前にものが置かれて、
火災の際に使うことが
出来なかったという事が昔は多々ありました。
それと同じなのです。
あってはならない場所に物がある。
あるべき場所に物がない。
それでは、
いくら分かりやすい規則や安全ルール、
マニュアルを作っても守る事が出来ません。
仕事に慣れている人なら、
そういったイレギュラーな状態であっても、
柔軟に対応が出来ます。
では、
新人はどうでしょうか?
教えられた規則や安全ルール、
マニュアル通りに行おうとしても出来ず、
思考と行動が停止して、
フリーズ状態になってしまいます。
倉庫の現場でよくある状況としては、
現場の状況の変化や新しい仕事(工程)が加わったことにより、
作業手順が変わってしまう場合です。
新しい仕事や工程が加わっても、
マニュアルを変更すれば問題ありませんが、
それができるほど、
時間的余裕が現場の人間にはありません。
そうなってくると、
仕事は見て覚える、やって覚える、
という昔のスタイルになっていきます。
そうしないためにも、
規則や安全ルール、マニュアルを作る際、
基準とした倉庫内の状況や環境にしておく必要があります。
また、
基準が変わったのであれば、
その基準に合わせて、
規則や安全ルール、マニュアルを変更する必要があります。
規則や安全ルール、マニュアルを作る際に基準とした
倉庫内の状況や環境を維持できなくては、
守れるものも守りません。
基準が変われば、
何もかも変わってしまいます。
作業者が規則や安全ルール、マニュアルを守らないと怒る前に、
一度、思い出してみてください。
あなたの職場の規則・安全ルール、作業マニュアルは、
どのような倉庫内の状況・環境での基準で作ったかを。
そして、
今も倉庫内は、その基準が保たれているかを。
規則や安全ルール、
マニュアルを守らないのには、
理由があるはずです。
言い方を変えれば、
守れないのには、
理由があるはずなのです。
マニュアルに
書かれている通りにのものがない!
商品が邪魔で通れない。
指定された置き場は、
商品がいっぱいで置かない。
指定された場所に違う商品が置かれている。
歩行者帯に商品が置かれて、
歩行者と危うく接触しそうになる。
通路が商品で塞がれて、
決められた方向で進むことができない。
など、倉庫内で予想外の状況・環境により、
作業者側の立場として、
規則や安全ルール、マニュアルを守れない事に対する反論は存在します。
ただ、
現場の作業者は、言ってもムダと諦めて、
何も言わないだけなのです。
そして、
その何も言わない状況が、
規則や安全ルール、マニュアルを守れない
職場にしているのです。
これは、
誰の責任なのでしょうか?
経営者?
倉庫責任者?
それとも、現場の作業者?
規則や安全ルール、作業マニュアルを守れる状況・環境を維持させるのは、
経営者や倉庫責任者の役割であり、
現場の作業者は、
規則や安全ルール、作業マニュアルを守る責任があります。
規則や安全ルール、
作業マニュアルを守るには、
それぞれの役割を
まっとうする必要があるのです。
現場の作業者が、規則や安全ルール、
マニュアルを守らないと怒るのではなく。
経営者や倉庫責任者は、
規則や安全ルール、マニュアルを守れる状況・環境を
維持、回復する為には、
どうするかを考える責任を果たす必要があります。
それも、業務の1つであり、
それでお給料を貰っているのですから。