厳しく指導する為に必要な2つの事


厳しく指導するか、褒めて優しく指導するか、悩んでいる方が多いのではないかと思います。
 
特に人手不足の職場であれば、褒めて優しく指導するなんて、時間もなければ、指導する人材も不足しています。
 
褒める指導をするのは、指導する相手の行動に目配りをして、上手く出来たこと、成功した事に気づいてあげる事が必要です。
 
また、教える相手が仕事の壁をなかなか乗り越えることができないのであれば、指導者がどうすれば乗り越えられるかを一緒に考える相談役にもなる必要があります。
 
褒めて優しく指導するには、時間もかかりますが、それ以上に気配り、目配りが求められます。
 
その反面、厳しく指導する場合は、指導する人と指導される人に自然と上下関係が出来てしまい、無意識に距離感が生まれてしまいます。
 
 
 
昔のように厳しく指導すると新人はすぐに辞めてしまう、スタッフは付いてこないなどの悩みの結果、褒めて優しく指導する事を取り入れている会社が多くなってきました。
 
では、厳しく指導する事で、新人やスタッフはついてこないのでしょうか?
 
簡単に答えを言ってしまえば、厳しく指導してもついてくる人はいるのです。
 
厳しく指導されても、逃げずについていく為に必要な事は2つあります。
 
1つ目は、指導後に得られるもの、ビジョンが自分の求めるものであること。
2つ目は、信頼できる指導者であること。
 
以上の2つは、行動のエネルギー源になるものであり、迷ったり、悩んだりした時に、自分の進む道を考えるには必要になるものです。
 
 
1つ目のことに関連することですが、身の回りの生活用品や家電が充実していない時代は、厳しい指導に耐えて、仕事で結果を出せば、頑張っただけの見返りの報酬(給料)によって、生活を充実させたいという欲求が忍耐力を高めていました。
 
言い方を変えると、厳しい指導に耐えた結果、自分の望むものを手に入れ、生活を充実させる事が出来たのです。
 
ところが、今の時代は生活が充実して、生活必需品は100円ショップでもある程度のものは買えますので、厳しい指導に耐える理由や動機がなくなってきたのです。
 
その為、何の為に厳しい指導を受けているのか、その理由を明確に出来ないが故に、忍耐力が低下してしまっているのです。
 
 
例えば、オリンピックへ出場したいと頑張っている選手には、厳しい指導をしても、逃げずにしっかりとついていきます。
 
なぜか。
答えは簡単ですよね。
自分は、必ず、オリンピックへ出場するんだと言う明確な目標と強い意志があるからです。
 
そして、厳しい指導を受けた先にある「成りたい自分の姿」や「オリンピックという世界の舞台で活躍している自分の姿」が明確に心の中で描けているのです。
 
もう少し踏み込んで言うのであれば、オリンピックの出場後の自分の姿を見据え、自分が何の為にオリンピックに出場するのかを考え、目的が明確になっているからです。
 
 
では、会社の仕事はどうでしょうか?
 
新入社員に、「あなたは、この会社(この仕事)で、何を学び、何を行い、何を実現したいのですか?」と質問したら、いったい何人が具体的に目的と目標を話す事が出来て、行動計画を作れるでしょうか。
 
 
多くの人は、会社を決める時、会社の規模・福利厚生・信頼性・将来性・ブランドやこう言う事が好き、こう言う事に興味があるという、表面的な理由で決めているのではないでしょうか。
 
逆に起業する人やベンチャー企業に就職する人は、自分がやりたい事が明確になっているので、睡眠時間を削ろうが、食事を抜こうが、どんなに厳しい状況に追い込まれても、悩み、考え、目的の実現の為に走り続けます。
 
それと同じで、自分が本当にやりたい事、実現したいビジョンが明確に描けていると、厳しい指導を耐える理由や動機があるので、逃げずについていく事が出来ます。
 
 
 
厳しく指導する前に、「自分がその指導を受ける理由や動機は何か」、「指導を受けると自分はどうなるのか」、「その指導は自分の人生の目的を達成・実現する為にどんな意味があるのか」などを考えさせ、自分だけの答えを出させる必要があります。
 
もちろん、1回で明確な答えはでません。
それでいいのです。
自分で考え、自分なりの答えを出す事が重要なのです。
その答えが、一時的とは言え厳しい指導に耐える理由や動機になるのです。
 
20代で、自分の人生の目的(ミッション)を明確に出来る人など、極一握りの人達です。
 
大切なのは、自分の人生の目的(ミッション)と向き合い、目の前の出来事・状況に対しての在り方を問いかけ、何を行うかを考え続ける事なのです。
 
人生の目的(ミッション)なんてものは、多くの人と出逢い、さまざまな価値感(価値観)に触れ、さまざまな経験や知識・知恵を蓄える事で、目指すべき頂が薄っすらと見えてきて、霧が晴れるように次第にはっきりと見えてくるのです。
 
 
 
話が少し逸れました、話を戻します。
厳しい指導を受けるにしても、相手を尊敬し、信頼できなくては、指導内容を心から実践しようとは思えません。
 
例えば、同じような話でも、「実績や経験があり、周りの人から信頼され、頼られている人」と「実績や経験がまったくなく、自己中心的で、独りよがりの人」では、どちらの人の話を真剣に聴くことが出来て、受け入れる事が出来るでしょうか。
 
正しい事を言っているんだろうけど、何か釈然としない、受け入れられない場合があると思います。
 
言い換えると、何を言ったのではなく、誰が言ったかが大切な場合が多々あります。
 
 
私の身近な事で例え話をするにであれば、
おもてなし・ホスピタリティの第一人者である高野 登(リッツ・カールトンホテル 元日本支社長)さんから聞いたお話を他の場所で、高野さんから聞いたお話という事を伏せて話した場合と高野さんから聞いた話と最初に伝えて話した場合とでは、聴き手側の受け止め方は違うはずです。
 
なぜ、違うのか。
高野さんと私とでは、知名度、ビジネス規模による経験・実績、成功体験などが違い過ぎるからです。
そして、その違いが話の内容に対する信憑性や信頼度合いに大きく影響するのです。
 
 
何かを教えたり、指導する場合は、指導する内容や指導方法だけを重要視するのではなく、指導者の人柄や経験・実績も考慮しないと、上辺だけの指導で終わってしまい、指導した内容が身につかないままで終わってしまう可能性もあります。
 
厳しく指導するのであれば、指導者には、指導する相手から信頼される為の人間力と指導後のビジョンを描かせる質問力などのスキルが最低限求められます。
 
 
最後にもう一度、お伝えします。
厳しく指導されても、新人が逃げずについていく為に必要な事は2つあります。
 
1つ目は、指導後に得られるもの、ビジョンが自分の求めるものであること。
2つ目は、信頼できる指導者であること。
 

です。

 

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