作業環境の改善、働きやすさ、作業効率アップをするためのフレームワーク「GIHSAループ」

現場目線による倉庫現場の改善サポートを行います

前回は、倉庫内の作業を点ではなく、
線で見る事をお伝えしました。

では、どうすれば、
作業環境、働きやすさ、作業効率アップが出来るか?

そこで、
GIHSA(ギハサ)ループという
フレームワークをお伝えします。

GIHSA(ギハサ)ループは

1:Grasp:状況を把握する
2:Imagine:イメージする
3:Hypothesis:仮説を立てる
4:Select:選択する
5:Act:行動する

の5つの行動から成り立っています。

1:Grasp:状況を把握する
(全体の仕事の流れや状況を把握し、
 何がどこに置いてあるか、
 何を優先するかなどといった現状の情報を
 自分の中に落とし込みます。)

2:Imagine:イメージする
(一緒に働いている人たちが、
 どの様に仕事を行っているかイメージをします。)

3:Hypothesis:仮説を立てる
(イメージをした内容をもとに
 相手の立場に立って、どのような仕事の段取りを行えば、
 仕事が行いやすいか仮説を立てます。)

4:Select:選択する
(仮説の中から、最善と思われるものを選択します。)

5:Act:行動する
(選択した仮説を実際に行います。)

パッと見、
PDCAサイクルと似た印象があると思いますが、
これは、OODAループに似ています。

OODAループは、
●状況の観察・見る(Observe) 
●状況の判断・分かる(Orient)
●意思決定・決める(Decide) 
●行動・行動する(Act)
の4つから成り立っているフレームワークです。

OODAループは、
アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱したものです。

戦闘機で相手の背後を取る為に必要なことは、
何かということを考えた結果、状況認識と意思決定、
そして反応の違いと結論付け、
OODAループという理論を導き出しました。

また、
OODAループは、状況の不確実性や不透明性を前提に、
機敏な意思決定と行動によって優位性や高いパフォーマンスを
実現しうるスキルであるといわれています。

GHISAループは、OODAループを知る前に
仕事が回らない、終わらない危機感から、
私が経験から考え出した内容です。

ただ、
内容的には似ている箇所もあるので、
ある意味、私の考えは間違いがなかったという事を
証明してもらえたと言えるでしょう。

では、GIHSAループをどのように活用するかです。

GIHSA(ギハサ)ループは

1:Grasp:状況を把握する
2:Imagine:イメージする
3:Hypothesis:仮説を立てる
4:select:選択する
5:Act:行動する

の5つの項目から成り立っています。

まず最初に状況を把握するですが、
これは、
入荷・格納・出荷の状況を把握する事になります。

これにより、それぞれの作業を点で見るのではなく、
一本の線で繋がっている事を
認識する事ができるようになります。

また、1日の仕事を早く終わらせるためには、
どの作業を優先的に行うか明確になることで、
作業者の人数の適切な分配ができます。

そして、重要なポイントとして作業者全員
(正社員、または現場の改善・改革の主要メンバー)
に伝える事です。

そうしなくては情報の欠如により、
行動が変わってきてします。

例えば、
3日後にAという商品が
500個入荷する為に空けておいたスペースに、
その事を知らない作業者が、
別の商品を置いてしまう場合があります。

また、
今日、入荷したBという商品が
次の日に1000個出る事が分かっていたので、
予め、出荷場に置いておいたら格納をされてしまった。

このように
知っている・与えられている状況の情報に差があると
行動が変わってきてしまいます。

こう言った事をなくす為にも、
状況に関する新しい情報は、共有する必要があります。
そして、情報の共有化は、
2番目のイメージするにも大きく関わってきます。

なぜなら、イメージする為にも、
情報はとても重要な要素になるからです。

ただし、リーダー1人ですべてを段取りし、
作業や安全性の改善を行うのは無理です。

また、
リーダーが、1人で抱え込んでしまうと、
一見、責任感の強いリーダーと思われがちですけども、
その反面、
他の作業者は当事者意識が薄れてしまいます。

なので、他のメンバーと情報の共有化を行い、
巻き込む事で他人事にさせない、
当事者意識を持たせる為には重要なことです。

その為にも、メンバーとの信頼関係は、
良好といかないまでも、
少なくとも作業に協力をしてもらえる
関係性を保つ必要があります。

2番目のイメージをするですが、
何をイメージすれば良いか
分からないという人もいると思います。

イメージする項目は、主に3つの項目があります。
1:作業の流れ
2:作業者の動き
3:安全性

1つ目の作業の流れは、
主に入荷・格納・出荷の流れをイメージします。
言ってみれば、
1日の倉庫内の作業の流れをイメージするのです。

2つ目の作業者の動きは、
主に出荷作業を行なっている
作業者の動きや作業動線をイメージします。

出荷作業なので、
路線業者や貸し切りトラックの
積み込み作業の動きも含まれます。

3つ目の安全性は、
主に構内でのフォークリフトの動きをイメージします。

3番目はイメージを元に仮説を立てるです。

1つ目の作業に流れは、
入荷・格納・出荷の流れをイメージを元に、
何を変えれば、何を加えれば、
流れがスムーズに進むのか仮説を立てます。

その際、状況や情報を
しっかりと考慮する必要があります。
いつも同じ作業、同じ流れで作業を行なっていても、
倉庫内の状況は、常に変わっています。

特に繁忙期、閑散期は、在庫数の変動がある為、
スペースが不足していたり、余っていたりします。

なので、なぜ、
スペースが不足しているのか、余っているのか、
その理由を確認する必要があります。

そうしないと、
仮説の根底が崩れてしまう可能性があります。

2つ目の作業者の動きの場合は、
作業者の立場、考え、仕事の行い方を
イメージして仮説を立てます。

ここで気をつけたいのが、
作業者の身長の高さや注意力、仕事に対する姿勢です。

女性の作業者が多い場合は、どうしても高い場所に
商品を置けない事も出てきてしまいます。

男性の場合、ついつい自分の身長の高さを基準にして
仮説を立ててしまい、身長の高さの違いを忘れがちです。

そして、1番注視する必要があるのは、
仕事に対する姿勢や注意力です。

仕事の姿勢や注意力までは、
なかなか相手の立場になって考える事は出来ません。

何故なら、
相手の性格や仕事観が大きく関わってくるからです。

なので、そう簡単にはイメージ出来ないので、
お金の為、生活費の為に仕事を行う、
注意力散漫と言った最低レベルでイメージする事をお勧めします。

相手に対して、過度の期待を持つのではなく、
最低レベルをイメージしておけば、最悪な状況だけは避けられます。

これも、一種のリスクマネージメントと
考えてもらえればいいと思います。

3つ目の安全性の場合は、主にフォークリフトに乗っている人の
立場や考え、仕事のやり方などをイメージして、仮説を立てます。

フォークリフトを使わない倉庫もあるでしょうが、
その場合は、2つ目の作業者の
仕事に対する姿勢と注意力が当てはまります。

フォークリフトで仕事を20年以上行なってきているので、
フォークリフトの危険性は十分に分かっています。

フォークリフトも車と同じで走る凶器なのです。

その事を前提で、
最悪の状況をイメージして仮説を立てていきます。

多くの倉庫現場では、表に出ないだけでかなりの数の
ヒヤリハット事例が存在しているはずです。

そして、本当に運が悪かった場合のみ、
人身事故という形で表に出てきているのではないかと思います。

フォークリフトは、バック走行が基本という事は、
多くの人が知っていると思います。

なぜ、バック走行なのか?
その答えは、誰でも知っているように、
前進で進むとフォークで人を刺す可能性があるからです。

また、パレットに荷物を高積みした場合、
前が見えないという理由もあります。

どちらも、
フォークリフトに乗っている人であれば分かっている事です。

ところが、
作業を行なっていると時間に追われて忘れがちです。

また、作業者に対しては、
フォークリフトの半径2メートル以内に近づく場合は、
必ず声かけをして、
相手がこちらに気づいていることを確認してから、
近づくことをルール決めしている現場もあります。

それほど、
フォークリフトと作業者の接触事故に関しては敏感です。

特に大手のメーカーの倉庫であればあるほど、
そういった安全ルールに関しては厳しいものがあります。

あと、忘れてはいけないのが、
カウンター式とリーチ式の違いです。

リーチ式は、小回りが利いて、
狭い場所などでも扱いやすいなどの利点があります。

ただ、リーチ式は、小回りは利きますが、
重心が高いこともあって、急旋回をすると簡単に傾くと言う
安定性の悪さがあります。

私も何度か怖い思いをしました。

最近の倉庫では、
ほとんどの場合がリーチ式が多いのではないでしょうか。

自分の倉庫で使っているフォークリフトは、
リーチ式なのか、カウンター式なのかを意識して、
仮説を立てる必要があります。

そして、フォークリフトに乗っている人は、
いろいろな人がいるということを忘れてはいけません。

安全意識の高い人もいれば、
「これぐらいは大丈夫だろう」と言う
安全意識の低い人も思います。

また、気に入らない人に対しては、
安全ルールを守らないと言う人もいたりします。

そういったことを考慮して、最悪の状況をイメージして、
安全性に関する仮説を立てる必要があります。

例えば、
作業をしている人の横を通る時は、
声かけ、徐行が鉄則ですが、それを行わない場合。

フォークリフトでメイン通路に出る場合、
一旦停止、左右確認を行うことが常識ですが、
それを行わない場合。

歩行者通路にフォークリフト、又は、パレットが置かれ、
歩行者が歩行者通路を通れない場合。

など、一般的な事もあれば、
扱う商品によっては、
独特の安全性を確保する必要もあると思います。

例えば、医薬品などは、
室内温度や害虫に関しては厳しいものがあります。

また、商品によっては、
倉庫内に人が居なくなった場合は、
鍵の掛かる部屋で管理する必要が有るものもあります。

そして、重要なポイントとして、
安全性に関する仮説を立てる場合は、
性善説ではなく、性悪説で考える必要があります。

なぜなら、最悪の状況を回避する為に
仮説を立てるのですから、
相手の安全意識に過度の期待をするのは、
あまりにもリスクが高過ぎるからです。

4番目は選択をするです。

仮説を立てても、
どれにするか選択をしなくては実行が出来ません。

ただ、
この選択を間違えると得られる結果も変わってきます。

とは言え、
必ず、誰でも正しい選択が出来るかと言えば、
そうとは限りません。

なぜなら、経験と知識・知恵といった
個人の能力・スキルに頼るという不確定要素があるからです。

車を運転が良い例です。
毎日、車の運転をしている人とそうでない人では、
車の運転の良し悪しが明確に出ます。

なぜ、
それ程までに差が出るかと言えば、運転経験の差なのです。

それと同じように倉庫現場経験の少ない人は、
トライ&エラーを繰り返して、成長をしていけばいいのです。

私も最初のうちは、トライ&エラーの連続でした。

そして、そこで考えたのが、
「どうするメソッド」です。

どうするメソッドとは、

目の前で起きている状況を見て、
どの様な行動が出来るかを考え、
自分が求める結果が得られる行動を決めるものです。

これを繰り返す事で、
知識・知恵を身に付け、経験を積む事が出来ます。

もちろん、
トライ&エラーが出来ない現場もあります。

そのよう場合は、経験者が対応する必要があります。

経験者と言っても、
入荷・格納・出荷作業を経験している人が適任です。

ただ、大手の倉庫や作業者の人数が多い現場では、
担当作業が決められ、1つの作業に作業者が固定しがちです。

そう言う状況であれば、
定期的に担当作業のローテーションを行う必要があります。

ローテーションを行うことによって、
倉庫内の作業全体の流れを経験することができます。

そうすることによって、
様々な視点・立場で作業を見る事が出来、
2番目と3番目のイメージと仮説にも役立ちます。

5番目の行動は、選択した仮説を行動に移す事です。

仮説は、あくまでも仮説なので、
状況や環境に合わない場合が必ず出てきます。

なので、
状況や環境に柔軟に合わせていく必要があります。

建築で言えば、現場合わせを行うのです。

この現場合わせを行う為には、
スキルや知識・知恵・経験が必要となってくるので、
誰が行なっても上手くいくとは限りません。

また、人によっては、時間がかかる場合もあります。

しかも、倉庫現場の場合は、
現場の作業者と対話をしながら行う必要があるので、
コミュニケーション力・質問力・傾聴力が求められます。

別の言い方をすれば、
コーチングスキルが必要となるのです。

コーチングと言えば、
人材育成に使うと言う認識が強かったですが、
私の経験から言えば、
倉庫現場では、作業をスムーズに進める為にも
必要不可欠なスキルの一つなのです。

このように状況の把握をし、
どうすればよいかイメージをし、
仮説を立て、選択し、行動を繰り返すことで、
状況や環境に合わせて、
作業環境の改善、働きやすさ、作業効率アップを
行うことが出来るようになります。

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