指導マニュアルを越えた仕事の教え方を実現する為に必要な事 ~指導者としての在り方を考える~

 

仕事を教える指導者としての在り方を考えた事はありますか?

年功序列で、仕方なく後輩を指導する立場になってしまった。
人手不足で仕方なく、アルバイトやパートの人達に仕事を教える立場になってしまった。
人事異動で慣れていた人たちがいなくなり、新人に仕事を教える立場になってしまった。
など、望まない状況や思わぬ状況により、仕事を教える立場になって、困った事はありませんか?

自分には、仕事を教える(指導する)事なんて無理と思っていても、会社からの指示である以上、逃げる事もできず、従うしかありません。
それが社員としての責任ですから。

そして、もう1つ忘れがちなのが、教えられる相手も不安を感じている事です。

仕事を覚えられるだろうか、失敗・ミスをして怒られないだろうかなど、教えられる相手も、あなた以上に不安を感じている事です。

教える事には、自信はないけど指導マニュアル通りに教えれば大丈夫だろうと安易に考えていると思わぬ落とし穴に落ちます。
なぜなら、相手はロボットではなく、あなたと同じ感情を持った人だからです。

上司から受けた理不尽な事、納得出来ない事に対して、怒りや不満を感じたことはありませんか?

それと同じで、相手の気持ちを無視し、指導マニュアルに書かれている事を押し付けると、相手に怒りや不満を抱かせ、思わぬ反発を受けたりして、望んだ結果を得られません。

マニュアルは、あくまでも基本的な行動や守るべきルールが書かれているだけなのです。
そこには、相手の個性を大切にし、感情を理解する方法は書かれていません。

飲食・接客業などは、基本的なサービスだけを行っていては生き残れません。
今の日本は、提供するサービスのレベルが高すぎるが故に、一般的なサービスでは、当たり前と思われてしまいます。
故にサービスを越えたものを提供する事で、先行している競合他社と初めて同じ土俵に立てるのです。

では、サービスを越えたものを提供するには?

お客まさの言葉に出さない心の声を感じ取り、行動する事です。

そこには、マニュアルは存在しません。

なぜなら、お客まさの状況や気持ちによって、行動する内容が刻一刻と変わっていくので、マニュアル化・文章化・見える化する事が出来ないからです。

それと同じように、教わる相手の性格・考え方を無視して、指導マニュアルに従って教えれば、指示待ち・平均レベルの人材・人在は育てる事は出来ても、人財は育てる事は出来ません。

多くの企業で求められているのが、人在・人材ではなく、人財です。

では、人財を育てるには、どうすればいいのでしょうか?
少なくとも型通りの指導マニュアルによる育成では、人財を育てる事は出来ません。

人材育成を行う上で山本五十六の有名な言葉で、「やって見せて、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ」というものがあります。

マニュアルには、「言って聞かせて、させてみせ」を行う為の手順は書いてありますが、「褒めてやらねば」を行う為の手順は書いてありません。

なぜなら、一人ひとり、感じ方も性格も違うので褒め方やポイントが違います。

故にマニュアル化や細かな指導マニュアルを作ることは出来ません。

人財を育てる為には、指導する相手の心に寄り添って、指導マニュアルを越えた仕事の教え方をする事で初めて実現できます。

ほとんどの会社には、指導マニュアルや作業マニュアルというものがあます。

ただし、それらのマニュアルが、現状に合っているかは別に話です。

私が、いろいろな職場で見てきた作業マニュアルは、現状に合っていなかったり、補足説明が必要なものが必要だったりと様々でした。

現状に合っていなかったり、補足説明が必要なら、マニュアルを作り直せばいいだけの事です。

それ以上に重要なのは、仕事を教える指導者としての在り方です。

「教えてやっている」、「覚えるのが当たり前だろ」、「そんな事も出来ないのか」、「指示した以外の事をしやがって」、「いつまでも同じ失敗ばかりしやがって」など、上から目線による教え方では、相手にプレッシャー・不安・恐怖・恐れしか与えません。

言い変えれば、指導する人の思い通りに相手が動く事が当たり前という前提で教えている事です。

子供がいたり、ペットを飼っている人なら分かると思いますが、こちらの思った通りに相手は、動いてくれません。

なので、相手は、自分の思い通りに動いてくれないという前提で教えるので、教え方にも柔軟性が生まれます。

逆に、相手は、自分の言った事を間違いなく実行するのが前提になっていると、教え方には多様性・柔軟性が欠けて、一方的なものになってしまいます。

教える側が立場が上というのは、あくまでも一時的な事であって、時間の経過に伴って立場が逆転する場合もあります。

また、相手から気づかされたり、学ぶ事もあるでしょう。

教える事で学び、成長すると言われる由縁は、そこにあります。

教えるとは、相手が理解できるよう伝える事が前提です。

経験や感覚で分かっていても、それを経験や知識が乏しい新人にも分かるような言葉にする必要があります。

「どうするれば、相手が理解してくれるだろうか」、「どうすれば、相手が動きやすいだろう」、「どうすれば、仕事の手順や知識を覚えてくれるだろうか」など、指導する立場として考える事は山ほどあります。

山ほどあるが故に、相手の気持ちを無視し、考えるのを止め、相手から逃げ、一方的な教え方を押し付ける人もいるでしょう。

逆に教える立場として、どう在るべきか、何を行うべきかを考え、自問自答し、試行錯誤をし続ける人もいるでしょう。

仕事を教える事で成長が出来るというのは、あくまでも、相手の事を考え、自問自答し、試行錯誤を続ける事が出来る人なのです。

その為には、教える立場や気持ちを理解する謙虚な姿勢が必要なのです。

自己成長や出世をしている人は、誰からも学ぶという謙虚な気持ちと学びに対する貪欲さを合わせ持っているのです。
そして、教える相手の逃げない人なのです。

仕事を指導する立場として、どう在るべきか、何を行うべきかを考える為に必要な事、それは。

職場で働いている人達自身が、大切にされていると実感する事が出来ているか?

実感出来ないと感じさせる環境や状況とは?
実感してもらえる為には、何が必要か?

職場で働いている人達に職場に居場所を感じさせる事が出来ているか?

どんな教え方、叱り方をすると、相手はプレッシャーや不満を感じるのか?
また、どんな接し方、教え方をするとやる気や自信を失うのか?
その逆に、どんな接し方、話し方、教え方をするとやる気や自信を持つ事が出来るのか?

指導者として、部下から嫌われる、毛嫌いされる、避けられる、信頼されない、不信感を抱かせる発言や行動・指導とは、どんな事なのか?

関わりたくない指導者は、どんな教え方・指導・叱り方・態度を相手に行なっているのか?

部下に対する不平不満・愚痴を陰で言う事で、無意識のうちに言葉や行動・態度に出ていないか?

部下・指導する相手の事には関心がなく、自分の仕事感を押し付ける発言や行動を行なっていないか?

部下・指導する相手の話は聴かず、命令口調になり、相手が質問しづらい雰囲気を作り出していないか?

などなど、相手の視点・立場になり、自問自答をし、試行錯誤しながら行動する事なのです。
言い換えれば、指導者としてのPDCAサイクルを回す事なのです。
その為には、相手と真摯に向き合い、相手から逃げない事が大切なのです。


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